ハッピーシンセサイザ３【マサイ】 (ページ31)

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目を見開き思い当たった顔をするマサイ
どうやら確信犯ではなかったようだ。

実際の所、女の子の日を２日後に控えているから、
妊娠の可能性はほぼない。

首筋を噛まれたのが痛かったから、
ちょっとした仕返しのつもりだった。

「マジか…。」と体を半分起こしたマサイが、
わたしの腹部に手を当て、撫でる。

その反応は予想外だ。

妊娠成立までに早くても１週間はかかったはずだ。
…マサイは中学の性教育を受け直した方がいいと思う。

「…排卵日じゃないから可能性は低いけどね」

「排卵日？」

「今回は多分妊娠してないって事、次から気を付けようね？」
出来るだけ伝わりやすい言葉を選んで伝えると
マサイが少し残念そうな顔で頷く。

付き合って２ヶ月ほど。まだお互い２１才。
いつかはと思うけど今はまだ早すぎる。

「A、俺と「男のベッドでの言葉は信じるなって教わったよ？」
少し茶化す様に、マサイの言葉を遮る。

「いつかちゃんと、別の場所で聞かせてね」

責任を取るとかじゃなく、
わたしとの一生をきちんと考えた上で言って欲しい。

マサイは「わかった」とわたしの頭の下に腕を入れ、
いつものように腕枕をしてくれる。

「愛してる」と耳元で囁かれ、顔が熱くなる。
いつもの優しい彼とはまた違った男らしい部分。

お姉様方、この言葉は信じてもいいでしょうか？
脳内に浮かぶ女性たちの返答を聞かずに
「わたしも」とマサイに口付けた。