シルクside ページ14
シルクside
１１月の初め。
マサイの家でAと３人でのミーティング。
「フィッシャーズは誰１人欠ける事なく続けられそうだ」
今までの期間にメンバーと話し、それぞれ同意を得られた。
Aとマサイもほっ、と一息つく。
「しばらくは俺ら３人が専業組だな」
「この先もっと増えるかもね」
「あぁ。待たせて悪かった」
やっとこいつらも付き合えるはずだ。
「何言ってるの？」
Aがマサイに目配せをすると
マサイが紙の束を俺の前に差し出す。
「まだやる事あるぞ？」
紙の束に目を通して行くと、
かなりまとめられたこの先の計画書がある。
「これ、お前らが？」
２人が頷く。
「シルクにはメンバーに向き合うのに集中してもらいたかったからな」
「２人でめちゃくちゃ頑張ったよ」
「…事務所一覧に、リスクヘッジ案、メンバーの説得案か」
「まず上からだな」
「事務所についてはここしかないと思う」
Aが指差すのはMCN最大手。
YouTubeをやってて知らない人はいない事務所だ。
「ここに入ることが、次の項目にあるリスクヘッジにも繋がる」
「事務所に所属するためにメンバーを説得？」
「そう。これはシルクだけじゃなく、私たちでみんなに向けてプレゼンしよう」
シ「…はい」
まだまだやるべき事があった。
「討論会みたいになるかもな」
「でも意見をぶつけ合うのも大事だよね」
マサイとAが計画書を前に、
これからのフィッシャーズの展開を語って行く。
コンビ結成とはこのためだったのか
２人が俺の事を支えてくれるなら、
なんでもできる気がしてくる。
「メンバー揃えて、話し合うか」
「ちゃんとした場所借りてミーティングだな」
Aが思案するように顎に手を当て俯く。
「…どうした？」
「バリキャリ風の格好した方が説得力あるかな？」
心底どうでもいい事だった。
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作者名：にゃんこすき | 作成日時：2019年5月16日 17時
