やだっ、誰か、助けて ページ39
「離して下さい。」
男「久々にお会いできたのに、つれない事を言わないで下さいよ。」
「すみません、すぐに戻らないといけませんので。」
男「少しくらい、いいじゃないですか。」
「急ぎますので。」
男「今日は、誰にも邪魔されそうにありませんよ。」
すぐ近くで男の声が聞こえたと思ったら、唇に気持ち悪い感触が襲ってきた
「んー！！」
胸を押し返してもビクともしない体
男の腕の中で暴れて、何とか逃げ出そうとするが無理で
せめてもの抵抗で、ぎゅっと唇を閉じる
いきなり鼻を摘ままれ息苦しくなって、思わず口を開けてしまった
「んんッ・・んっ・・・。」
にゅるっと男の舌が、一気に侵入してきた
気持ち悪い・・・
やだっ、誰か、助けて
「さっきのダンスだけど、」
「ここの部分？」
「のど乾いちゃった。」
「自販機、こっちだよね。」
女性の声と複数の足音が聞こえてきたので、男の力が緩んだ
思いきり足を振り上げたら、クリーンヒット
男「うっ・・・。」
痛みにうずくまった男から、ダッシュで逃げ出した
「はぁ、はぁ。」
TH「ヌナ、どうしました？」
勢いよく駆け込んできた私
心配して寄って来たテヒョンに抱きつく
TH「Aヌナ？」
何も言わず、震える私
テヒョンは、ただ優しく抱きしめてくれた
他のメンバーは、その様子を見守っている
ス「お時間です、よろしくお願いします。」
スタッフが出番を伝えに来た
TH「ヌナ？」
「ご、ごめんなさい。」
すっと離れて、テヒョンの衣装が汚れていないか確認する
JK「ヌナ？」
傍に来たグクを見て、ジミンの後ろに逃げ隠れてしまった
JK「え？」
似たような色のスーツ姿が、あの男と重なってしまって
ジミンの服を掴む手が、自然と震える
JM「ヌナ、大丈夫？」
「あ、ごめんなさい。」
慌てて手を離すと、心配そうなメンバーの視線
「さ、行きましょう。」
笑顔を張りつけて、メンバーを部屋から追い出す
局内の通路を歩く時、ビクつく私に気づいたテヒョン
ジミンと私を挟む様にして歩いてくれる
スタジオの隅から出演するメンバーを見守った
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作者名：薫
| 作成日時：2017年12月15日 0時
