俺も・・・友達で良かった ページ29
ミン「今日、ハナとAとご飯に行ってくる。」
KI「本当ですか？よろしくお願いします。」
ミンヌナに任せるとか言いながら、気になって仕方なくて
ベクヒョンとヌナのカトクに何度もメッセージを送って様子を伺う
しばらくして、ミンヌナからお店のURLが添付されたメッセージが届いた
BK「カイ、行こうか。」
KI「はい、ジミンたちも呼びますね。」
BK「うん。」
まぁ、ジミンたちの本音を確かめておきたいし
ジミンにカトクしといたから、すぐにこの店へ来るだろう
ベクヒョンとアイツらが騒いでいるのを見て、Aが笑っている
KI「よかった、ちゃんと笑えてる。」
こそっと声をかけると、お礼を言われた
「いつもありがとう。」
KI「ん？」
「カイが、友達で良かった。」
友達か・・・
KI「・・・。」
「カイ？」
返事をしない俺の顔を心配そうに覗き込んできたA
それでも今は、ただの友達でもいいかな
近くにいる存在には、変わりないわけだし
KI「俺も、Aが友達で良かった。」
そう答えた俺に嬉しそうに笑っていて、その笑顔を見られるだけでもいいかって思えた
BTSの宿舎前、これが最後だと電話をかけたが繋がらず
食事会の後に送ったカトクにも、返信がない
「もう寝たかな。」
携帯の時刻は、夜中12時を過ぎている
あきらめて帰ろうと歩き出したところで、Aから着信
待っていると建物から勢いよく飛び出して、俺の前を走り過ぎようとした
KI「A、そんなに急いでどこへ行くの？」
「カ、カイ？」
足を止めたAは、よほど慌てていたのか薄着で髪が湿っていた
KI「髪、濡れてる。」
「ちょうど、お風呂から上がったところで。」
俺の視線を避けるように俯いた顔が、街灯に照らされた
赤くなった頬、口の端が切れている
KI「顔、どうした？」
「ちょっと、喧嘩して。彼女に、叩かれた。」
KI「マジか。」
ちょっとの喧嘩で、叩かれるってことある？
痛々しい頬に、そーっと触れてみた
KI「熱いな。腫れないといいけど。」
「カイの手、冷たくて気持ちいい。」
気持ち良さそうに目を細めて、無防備なAの小さな体を抱きしめる
KI「誰も見てないよ。」
Aの背中に回した手で優しく擦ると、鼻を啜る音が聞こえてきた
泣けなくて我慢していたな、この様子だと
背後でバイクの停車する音がして、Aの体が離れる
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作者名：薫
| 作成日時：2017年12月4日 13時
