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★ ページ40
『旅館、戻る。』
「え、姉ちゃん?戻るの?」
『だって、観光気分じゃなくなったし。』
こちらを見ることなく前を向いたまま
旅館の方向に歩き始めた姉ちゃんを追いかける
「もしかして、俺と一緒にいたくないって事?」
『かもね。』
レオと話す口調とは違い、どこか冷たく響く感じに胸が痛い
前を行く姉ちゃんを引き止めたくて、服を掴んだ
すると、足を止めてくれた
「姉ちゃん・・・Aさん、ごめんなさい。」
俺の小さな呟きが聞こえたのか、姉ちゃんが振り返った気配
頭上で聞こえた溜息に、思わず肩がビクッと震えた
『そこの公園。一人じゃつまらないし、つき合って。』
いつもの姉ちゃんだって顔を上げて、見つめる
「うん。」
嬉しくなって姉ちゃんの手をとって歩き出そうとした
でもすぐに、繋いだ手を見て足を止める
「あのう。手、繋いでもいい?」
様子を窺いながら、離したくなくてぎゅっと握りしめた
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作者名:薫 | 作成日時:2017年10月29日 0時