〜第十二章〜 警告 ページ30
→警告
一度も見たことのない寺岡の表情をいま、見たと伊桜里は思った。
それは愛し合ったあとのベッドの中だった。
身体を絡め合いながらとりとめもなく話をしていて、先日Aたちと四人でディズニーランドへ行ったときの話になった。
はじめこそ「おいおい、登坂と岩田とのダブルデートなんて超贅沢だなぁ」と笑っていた寺岡だったが、岩田と言い合いになったという話のあたりから眉間にしわがよりはじめ、それに気づいた伊桜里があわてて「ふざけたじゃれあいとかじゃないよ、本気。本気で怒ったの、絶対許さないって」と付け加えると「うーん」とうなって伊桜里の首の下に伸ばしていた腕をはずし、耳の横にこぶしをついて肘枕をして伊桜里を見つめた。
「なんかやだな」
伊桜里は寺岡の方に身体を向けながら、急いでさらに付け加えた。
「まぁ子ども同士の意地の張り合いみたいなものだから。わたしと寺岡さんのことを誰かに言いふらすなんてことをするひとじゃないと思うし……」「そんなことを気にしてるわけじゃない」
見たことのない表情を浮かべたのは、珍しく強い口調で伊桜里の言葉を遮ったこのときだった。
言葉とうらはらに、まるで迷子になったこどものような表情に見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 640人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
happysmile2015(プロフ) - ユキさん» しまった〜！ 僕らの時代、見逃しちゃった〜〜〜！ ショック！ (2021年4月20日 17時) (
レス) id: aef0f129c5 (このIDを非表示/違反報告)
happysmile2015(プロフ) - ともさん» そうなんですよね。臣さん療法はこころのケア、なんでしょうね＾＾ (2021年4月20日 17時) (レス) id: aef0f129c5 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - happysmile2015さん» 来週のモニタリングTAKAHIROさんが出るよ(*^^*) (2021年4月16日 21時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - こころですね。身体だけじゃなくて。臣さん療法は成功かな〜 (2021年4月15日 20時) (レス) id: c58f1ad94e (このIDを非表示/違反報告)
happysmile2015(プロフ) - ともさん» そうですね。生きてるって思った以上にすごいことなんですよね。大切にしたいです。 (2021年4月13日 11時) (レス) id: 772883ad5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：happysmile2015
| 作成日時：2021年1月19日 17時
