FILE.35 ページ36
.
〈 CONAN side 〉
Aさんの実習先に、パトカーが何台も止まっているのを見てある程度の事を悟った。
彼女は、ここで起きた何かに巻き込まれたのだろう。それも、どうにもこうにも自分の手じゃ負えないような重大な事に。
彼女の性格からして、
きっと、今回も悩んだ末の電話だったのだと思う。
車を降りて現場と
そこには目暮警部がいたのだ。
まさか彼も此方の世界へ来てしまっていたとは。
そもそも、向こうとは違うのに警部として仕事が出来ることにも驚きだ。
色々と聞きたいことはあるが、その目暮警部にAさんが連行されそうになっている状況を、どうにかしなければ。
「目暮警部、Aさんを連れていくにはまだ早いんじゃない？」
「こっ、コナンくん……！？」
俺を視界に捉えて、警部の目が見開かれる。
こちらへと駆け寄ってきたかと思えば、肩をがっしり掴まれた。
小声ともとれるような声で、問いかけられる。
「どうしてここにいるんだね！？」
「目暮警部と一緒だよ…僕達もいつの間にかこっちに来てたんだ…」
僕達？と聞き返される言葉に、視線で教える。
崩れてしまったAさんを支える安室さんに、目配せをした。
「彼も来ていたのか……」
「うん、そうだよ。とりあえず、Aさんは連れていかないで。彼女は僕らを保護してくれているんだ」
俺の言葉に警部は驚きながらも、顔を顰める。
「そう言ってもだなあ…」と声を低めた。
「彼女は今日初めてここに来たんだよ。彼女には事件を起こす動機がない…そうだよね？」
「うーむ」
何も言えなくなったのか、考え込みだした警部に畳み掛けるように言う。
「Aさんが犯人に嵌められた可能性だってあるよ。…こっちには探偵の安室さんもいるし、僕らにも調べさせて！」
Aさんを疑うのはそれからでも遅くないよね、と付け加えれば警部は渋々といった様子で頷いた。
十中八九、Aさんは犯人に嵌められている。
容疑者はAさんを除く三人。
この中に、彼女を陥れた奴がいる。
絶対に、逃がしはしない。
Aさんの容疑を晴らすためにも、必ず真実を突き止めてみせる。
「コナンくん…」
「…うん」
ふと横に安室さんがやって来て、肩に手を置かれた。怒りを含んだ彼の声に、静かに同調する。
____絶対に、暴いてみせる。
そんな意味を込めて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 529人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天桜＊(プロフ) - キリさん» はじめまして！コメントありがとうございます！！そうなんですか！嬉しいです〜！これから続編なのでそちらもよろしくお願いします！ (2019年7月13日 18時) (
レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
キリ(プロフ) - はじめまして！とても面白くて一気に読んでしまいました！これからも応援しています！ (2019年7月13日 17時) (レス) id: c2c9e9fdb1 (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - 結さん» コメントありがとうございます！そういう事です〜！！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
結(プロフ) - 質問なんですけど、これ目暮警部もトリップしてるってことですか？ (2019年7月8日 12時) (レス) id: f755b3d80f (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - ピースサインさん» コメントありがとうございます！私もそれを狙っていたので喜んでいただけて良かったです〜！！頑張ります！！ (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
