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掴まれた手首を強引に引かれ、荷物も何もかもそのままに廊下へ飛び出た。
彼は、ハッと何かを思い出したような素振りを見せると教室を覗いて先生へ声をかけた。
「すみませんが、彼女の携帯を返して頂けますか？」
未だに動揺している先生が何故かと問うと、彼は私の手を離して先生の目の前まで歩み寄る。
懐から何やら手帳のようなものを取り出すと、
「こういう者ですが、彼女を保護するため……で宜しいですか？」
端正な顔が微笑む。
その表情は、どこか威圧的なもので。
先生は目を見開くと、慌ててスマホを出した。
彼は教卓に置かれた私のそれを受け取ると、
「手荒くしてすみません」
そう一言だけ告げると、駆け出した。
私の手首を掴むその腕は、よく鍛えられているらしく筋肉質で。目の前で
私は息を呑んだ。
どう考えても、どう見ても、この人は。
安室透、もとい降谷零に違いない。
バタバタと廊下を駆け、靴箱でローファーに履き替えると、学校の前に停めてある車に押し込まれた。
その車は勿論、白のRX-7だった。
彼は私を押し込んで扉を閉めると、運転席に乗り込んでくる。そして、私の方を見ると申し訳なさそうに頬をかいた。
「Aさん、ですよね。何の説明もなしに連れてきてしまって、驚かせてしまいましたよね」
私はふるふる、と首を横に振る。
そんな私を見て彼はホッと一息ついた。
先程からの一連で、分かったことがある。
警察手帳こそ出したものの、彼は「安室透」として私に接しようとしているのだと。
ここで私が「降谷零」と呼べば、どうなるのだろうか。そんな考えが頭をよぎるが、今はそんな話をしている場合ではないだろう。
「あ、あの……お名前をお伺いしても？」
「あぁ！申し遅れました、僕は安室透です」
予想通りだ。
とりあえず、状況を把握するまでは安室さん、という事にしておこう。
「安室さん……私をなぜここへ？」
「私は探偵をしているのですが、貴女に協力していただきたく思いまして…」
嘘だ、と思った。
彼はさっき、私に聞こえないように言ったのだろうが「保護するため」と言ったのだ。
恐らくこの行動自体は、降谷零としての仕事なのだろう。指摘した方がいいのか、知らないふりをした方がいいのか。
迷った末、そのまま話を進めることにした。
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天桜＊(プロフ) - キリさん» はじめまして！コメントありがとうございます！！そうなんですか！嬉しいです〜！これから続編なのでそちらもよろしくお願いします！ (2019年7月13日 18時) (
レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
キリ(プロフ) - はじめまして！とても面白くて一気に読んでしまいました！これからも応援しています！ (2019年7月13日 17時) (レス) id: c2c9e9fdb1 (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - 結さん» コメントありがとうございます！そういう事です〜！！ (2019年7月8日 20時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
結(プロフ) - 質問なんですけど、これ目暮警部もトリップしてるってことですか？ (2019年7月8日 12時) (レス) id: f755b3d80f (このIDを非表示/違反報告)
天桜＊(プロフ) - ピースサインさん» コメントありがとうございます！私もそれを狙っていたので喜んでいただけて良かったです〜！！頑張ります！！ (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4b54fd1f63 (このIDを非表示/違反報告)
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