〜私の知らない過去〜【リローデッド編】

アウターコード４ 〜亜風炉と南野〜 ページ32

―亜風炉side―



照美「あれは……南野さん……？」



僕達の神のアクアによる不正が報道された新聞紙を捨て、僕は公園を出た。

ちょうどおばあさんと別れた瞬間、雷門中の南野さんを見かけたから。


走っていたし、何か急ぎの用事かな？


そう思い、チームメイトが待つ練習場へ向かおうとした。


だが、そこで１つの考えが浮かんだ。







ＦＦ決勝で魅せられた、南野さんのあの強さ。


円堂君もだいぶしぶとかったのたが、あの子も相当粘っていた。


あれだけ精神的にも肉体的にも痛み付けたのに、


それでも南野さんは諦めようとしなかった。





今南野さんについて行けば、何か強さの秘訣が分かるかもしれない。

走っていたし、もしかしたらスタミナ強化の練習なのかも。




考えをまとめると、僕の足は南野さんの後を追っていた。







・






照美(ここって、パン屋さん……？)



『稲妻ベーカリー』と書かれた店に、南野さんが入っていった。

何やら繁盛していて、活気のあるお店だ。


もうこの時点で強さとは関係ないと悟ったが、気になるので待つ事に。←




１０分程待つと、彼女がお店から出てきた。



何だかげっそりしていて、さっきより元気が無い。




照美(もしかして、どこか具合が悪いのかな……？)




そう思うと、何故だか無性に助けてあげたい気持ちが強くなった。


そして、南野さんの所へと向かった。









照美「南野さん。」


A「んー……？ ア、アフロディ!!?」



僕の顔を見るやいなや、南野さんは驚いた表情でのけぞった。



A「どうしてここに!?
　まさか、アフロディもここのパン目当てだったのか!?」


照美「……その前に、よく僕の事を邪険視しないね？
　あんなに酷い事をしたのに……」





A「だってアレ、影山がやった事じゃないか。

　鬼道みたいに強制させられたんなら、アフロディ達は悪くないさ。」



照美「っ……!!」





南野さんは僕達は悪くないとハッキリそう言った。


その言葉に、その無垢な瞳に、胸がズキンと痛む……。





違うんだ……。


僕達は……僕は……。






A「それよりも、メロンパン買いに来たならもう売り切れだぜ？」


照美「メロンパン？」



A「知らないのか？

　稲妻ベーカリー特性、究極メロンパン！
　１日に５０個しか焼かれてないんだ。

　欲しかったな〜……」




照美「……」

・→←・

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