〜私の知らない過去〜【リローデッド編】

アウターコード２ 〜鬼瓦のお弁当〜 ページ27

私は刑事の鬼瓦さんと一緒に暮らしている。


鬼瓦さんは朝から晩まで忙しいため、私のお弁当まで作る余裕は無い。

だから私はお弁当を遠慮して、コンビニのパンなどを昼飯にしていた。



前に一度だけ、鬼瓦さんがお弁当を作ってくれた事がある。

お弁当と言っても、日の丸ご飯の脇にミニトマトやブロッコリーという質素なもの。


用意してくれたのは有り難いけど、以来ずっとお弁当は拒否していた。←




そんなある日の事。





A「ただいまー！」

鬼瓦「おう、お帰り。」


サッカー部の練習を終え、私は家に帰宅。

居間に向かうと、鬼瓦さんは雑誌のようなものを読んでいた。




鬼瓦「なあA。
　明日の弁当、オレが作っておく。」


A(ゲッ……!!)←



唐突に衝撃的な発言を聞かされ、思わずカバンを落とす。


また、あの味気ない質素なお弁当を食べなきゃいけないのか……？


その考えがよぎると、私は慌ててお弁当を拒んだ。



A「いやいや、鬼瓦さん！
　鬼瓦さんだって忙しいだろうし、私はいつも通りパンで大丈夫！」


養女として引き取って育ててもらっている事は本当に感謝している。

ただ、あのお弁当だけは……！←




鬼瓦「いつもアレじゃ栄養も偏るだろ。
　任せておけ！ 前以上の物を作ってやるよ。」


前以上の……!?←



１回やると言い出したら聞かないのが私と鬼瓦さんの似ている所で、

結局その後、鬼瓦さんの口からお弁当の事を撤回する言葉は出なかった。

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