○ ページ28
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「だってA、俺が何回告白しても効果なさそうだったからさ。押してだめなら引いてみようかと…」
あ、隆の作戦ね、これ。
そう付け加えられて、彼の発言を理解するのに時間がかかった。
まず、突然出てきた共通の友人の名前。
『作戦、…？』
「作戦。Aに好きになってもらうための、ね」
恥ずかしげもなく言い放った亮は、まさか直接指摘されると思わなかった、と呟いている。
え？ということは、
『亮はまだ…私のこと好きなの？』
「うん、好き。当たり前じゃん」
今まで聞き流していたその一言が、突然ひどく強烈な意味を持って頭に響いた。
全身が心臓になったような感覚がして、耳元でバクバクと速い鼓動が聞こえる。
『…私もだよ』
「……え、」
なんとか勇気を振り絞ってそう言ったのに、返ってきたのは間抜けな声。
言葉にするのがこんなにも恥ずかしいのに、気持ちは溢れて止まらない。
…作戦に、まんまと引っ掛かった。
なんだか恨めしくなって、この際向こうにもこの恥辱を味わってもらおうと決意する。
『…亮が好き』
…そうやって、まっすぐ亮の目を見つめて言ったはずなのに、一秒も経たずに顔が真っ赤になったのが自分でも分かって、すぐ目を逸らしてきつく彼に抱きついた。
おずおずと背中に彼の腕が回る。
どくん、と彼の心臓の音が、振動と共に、彼の胸に当てた耳から聞こえる。
「かわいすぎて鼻血出そう…」
ぼそっと聞こえた言葉に笑いそうになった。
耳はまだ熱いまま。
笑い声を我慢していると、じわりと涙が出てきて、顔が大変なことになっている。
「…A」
抱きしめた体を離されて目が合った。
流れていた涙を親指で拭われる。
「大好き」
真剣で、どこか緊張していて、やっぱりまっすぐな声。
ぶわ、と涙が溢れるのが分かった。
『大好きは、初めて聞いた…』
声を詰まらせながらそう言えば、亮はひどく緩んだ顔をして笑った。
なのに、Aは？なんて、今度はニヤニヤしながら聞いてくるから、彼はとんでもなく意地が悪い。
『…私も、大好き』
また彼のシャツに顔を埋める。
きっと彼の服は、私の涙でびしょびしょだ。
亮は、なんて恥ずかしい台詞を毎日言っていたんだろう。
呑気に私の頭を撫でている彼がなんだか尊敬できる。
言葉にしないと伝わらない。
この想いがまさにそうだった。
「…やっと、聞けた」
あなたが、どうしようもなく愛おしい。
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麦(プロフ) - 游さん» ありがとうございます〜！今回の更新もかなり日が空いてしまってすみません…。感想もいただけてとっても嬉しいです！更新は、どうか気長にお待ちください！(*´∀`) (2021年12月23日 8時) (
レス) id: c17c33a14a (このIDを非表示/違反報告)
游 - こんばんは(*^^*) 夜分遅くにすみません｡｡｡ かなりお久しぶりです。 更新ありがとうございます。 物語読みました。 続きが気になります。更新待ってますね。 (2021年12月14日 0時) (レス) @page35 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
麦(プロフ) - 游さん» ありがとうございます！ご指摘の部分は全て修正したと思います！苗字の表記の所、単純に私のミスでした…すみません。タイトルの「再開」はわざとで、「再会」との掛詞です！紛らわしくて申し訳ないです…。ご丁寧にありがとうございました！更新も頑張ります(*´∀`) (2021年8月11日 21時) (レス) id: c17c33a14a (このIDを非表示/違反報告)
游 - 物語短編で読みやすかったので一気に読んじゃいました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2021年8月11日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
游 - 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 ○ページ23のここの部分 「(名字)」とここの部分 名字)に話しかける口実が欲しくて、授業では寝たふりをして彼女を見ていた。 これも名字が無くて名字表記なのですが｡｡｡ (2021年8月11日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦 | 作成日時：2021年4月11日 21時
