【短編集】you and me【吉沢亮】

○ ページ27

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そして、1ヶ月。

彼が私に好きだと言わなくなって、もう1ヶ月それが続いている。


何故なんだろう。
もう私を好きじゃ無くなった？

私はいつの間にか、彼の恋愛対象から外れてしまったのかもしれなかった。


LINEを開いて一度スクロールすると、彼の名前を見つけた。
キーボードを開いて勢いよく打ち込んでいく。

生憎私はこういう時に躊躇するような性格をしていなかった。


…知らぬ間に生まれた焦燥感が、私を追い立てる。

どうして私は、こんなにも必死になって文字を打ち込んでいるのだろう。



送信するとすぐに既読が付いて、ポン、と軽い音と共にメッセージが送られてくる。



『あと三時間、か…』



あと三時間できっと、私たちの関係は、大きく変わる。




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「ごめん、待った？」


『全然』



首を横に振りながら言うと、彼は安心した顔で笑った。

待ち合わせ場所から移動して、今は人のいない公園のベンチに座った。



『なんで、最近さ…』


「うん？」



話の核心を言おうとすると、やっぱり少し躊躇ってしまう。

…いや、言わなきゃ伝わらないよ。

覚悟を決めて口を開く。



『好きって言わなくなったの？』



すると亮は目を見開いた。


…やっぱり意図的だよね。

本当に、私のことが好きではなくなったのだろうか。
悪い予想が当たったんだ。

そう思うと、どうしようもなく、胸が苦しい。


…もうとっくに分かっていた、自分の気持ちに。

気付かないふりをするのにはもう限界だった。



「…やっぱ不自然だったよね」



うん、と頷くと、彼は苦い顔で笑う。


…どうしよう、涙が出てきそうだ。

亮は、きっとこれから言うのだろう。
私のこと好きじゃなくなった、って。

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