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翔太に言われた通り、マンションのロビーから少し出て待つ。
なんとも不健康なことだが、外に出たのは実に半年ぶりであった。
そとの空気は嫌に冷えていて、温室から出た気分だ。
妙に幸せだったあの温室のような部屋。
「A・・・・！」
『・・・翔太』
近くに高そうな車が止まり、翔太が走ってきた。
ぎゅっと抱きしめられる。
昔から変わらない翔太の匂いがして酷く安心して、更に泣き崩れてしまう。
『翔太、しょうたぁ・・・・・』
「良いから、大丈夫だから、一回車に乗れ、な？」
肩を抱かれたまま、後部座席に乗り込む。
翔太も後部座席に乗り込んでくる。
『・・翔太、写真撮られちゃう・・・？』
「大丈夫、後ろはフルスモークにしてあっから。」
大丈夫、大丈夫と昔からしてくれるように背中を摩られると、だんだん落ち着いてくる。
涙が止まった頃を見計らって、翔太が話しかけてくる。
「で、何があった？」
私はゆっくり翔太に全てを話した。
今回の婚約の条件。
最初は冷たかった佐久間さんのこと。
でも、優しい佐久間さんに恋をしてしまったこと。
私が居座ると佐久間さんは私と結婚せざる負えないこと。
それは佐久間さんの夢を邪魔するって気が付いてしまったこと。
頭の中には最初の契約である「結婚生活の一切を他言しない」がチラついたが無視した。
どうせ反故にする契約だ。
それに誰かに話さないと壊れてしまいそうだった。
「なるほどねぇ・・・佐久間がボンボンだってのは知ってたけど婚約とはねぇ・・・」
『・・・うん。』
「そういえば、お前んちも名家だもんなぁ・・・貧乏だけど。」
『・・・煩い。』
他愛もない言い合いをしていると、翔太が私の目をしっかり見て話しかけてくる。
「なぁ、A。」
『うん・・・』
「佐久間の事、好きか？」
『・・・・・うん』
「俺の事は？」
『・・え・・・？』
「俺はずっと昔からお前の事好きだったよ。」
翔太の瞳はまっすぐで射貫くようにこちらを見ていた。
久々にちゃんと見た翔太はひどく格好の良い男性に成長していて。
ずっと昔から知っている幼馴染のはずなのに。
まるで知らない男性みたいだった。
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結城(プロフ) - 完結おめでとうございます！無理矢理冷たくしたり振り回されたりしてる佐久間くんめちゃくちゃ可愛いです…。もう更新はないかもしれませんがおまけや続編で更新されることを願っております🫶 (4月15日 9時) (
レス) @page18 id: 3f7c57052f (このIDを非表示/違反報告)
Cancake(プロフ) - 完結おめでとうございます！婚約破棄のつもりが、両親に認めてもらえて、本当の両想いになれると言うストーリーがまさかの展開でとても面白かったです！スピンオフ作品や、新作、楽しみにしています！ (2021年11月7日 23時) (レス) @page18 id: 2b403d99de (このIDを非表示/違反報告)
hann(プロフ) - さやかさん» こんにちはー！コメントありがとうございます！しょったは可哀想な役になっちゃいましたよね…申し訳ない…続編数話書いたら新作書くつもりです！また読んで貰えたら嬉しいです💖 (2021年11月7日 15時) (レス) id: c4f3d3f59e (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - 完結おめでとうございます！しょーたくんがちょこっとかわいそうだけど…さっくんとどんな話をしたのかなーとか気になります。結婚生活もあったらいいなーって思っちゃいました！また続編とか新作とか楽しみにしてます！ (2021年11月5日 8時) (レス) @page16 id: 3da06c380c (このIDを非表示/違反報告)
hann(プロフ) - acさん» ありがとうございます！そう言って頂けると、すごく嬉しいです！思いついたら短編書いて見ようかとおもいます！ (2021年11月4日 18時) (レス) id: c4f3d3f59e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hann
| 作成日時：2021年10月28日 17時
