■生きてる ページ12
せっかく同じ学校にいるなら学校でも話したいと彼が言ったから、自分は保健室登校を再開した
特別体調が優れない時以外は休まず登校していたと思う
彼は休み時間になるたび保健室に来ては自分に色々な話をする
そのうち彼は自分の家や病院にも遊びに来るようになった
両親はすぐに彼の名前を覚えた
どうやら気に入られたらしく、寝てる間に自分の小さい頃のエピソードを暴露されていたりした
病院の人からは自分の世話をする方法を教えてもらっていたらしい
いつの間にか自分の元に彼がいる事をみんなが当たり前に思うようになっていた
それは自分も例外ではない
彼が傍にいない時は少し違和感があったけれど、それが寂しいという気持ちなのかはわからない
正直な話、自分は彼を特に何とも思っていなかった
どうしてこんなに気に入られたのかもわからない
多分彼は何か大きな勘違いをして自分の事を高く評価していると思っていたし、今でもそう思っている
だからといって誤解を解こうともしないし失望されないために見栄を張る事もしない
自分がそこまで素晴らしい存在じゃない事に彼が気付けば自分は彼に見捨てられて死ぬだけだ
それで構わない、どうせ運よく繋がっているだけのボロ糸のような命なのだから
可愛い後輩が可愛い同居人になったのは彼が大学生の時だった
彼は自分と一緒に暮らして自分を養うためにお金を貯めたり介護の知識を身に着けたりしたらしい
ちょうどその頃自分の体調も良くなってきて、月一で通院する他には自宅に一人でも平気になっていた
両親にも病院にも周到に根回しされていた
自分の両親は通院代や生活費などの仕送りを受け取る事を条件に同居を許可した
こうして自分の生殺与奪権は彼の手に握られた訳だ
「ゆーきさん」
「はーあい」
さっきまでパソコンに向かっていたゾムが自分の胸に頭を押し付けてくる
昔からずっとこの同居人は甘えん坊の構われたがりで本当にどうしようもない
頭を撫でておでこに軽く口付けると心底嬉しそうに目を細める
「編集飽きたわもぉぉ」
「お疲れさんですわぁ」
「動画編集よりゆきさんがええのに……」
ゾムは弱音を吐きながらも自分にぎゅうぎゅう抱きついてくる
その上無言の上目遣いでもっと撫でろと催促してくるから思わず苦笑してしまう
こんなに可愛くて純粋に自分を慕ってくれる同居人が幸せそうならそれでいい
わざわざ彼の幸せを壊すような真似をする必要はないだろう
自分の本当の心なんて、彼は永遠に知らない方がいい
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暁 - ちょっともう,,,なんかもう,,,うあああああ(どした？) (7月22日 17時) (
レス) @page18 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
とく(プロフ) - ｯﾌ、控えめに言って最高。凄い好き。めちゃ良かったです。うん、好き、凄い。(語彙力が溶けています。) (2020年6月17日 13時) (レス) id: 7ea0d5ffd3 (このIDを非表示/違反報告)
シスター(プロフ) - 初めまして読ませていただきました好きです！！！(クソデカ大声)ゆきさんもzさんもめっちゃかわいい……！ (2020年3月11日 10時) (レス) id: 365d4d5e9b (このIDを非表示/違反報告)
狂威 - やぁ〜…いい話に、まさかのゾムさんとはんなり爆弾魔の腐とわぁ〜…惚れますわぁ〜。語彙力溶けるw次の更新も楽しみにしてはりますね〜 (2019年5月7日 11時) (レス) id: 940cea6fb8 (このIDを非表示/違反報告)
うら(プロフ) - え…すごい好き…更新頑張ってください。応援してます。 (2019年4月13日 14時) (レス) id: a5cd1ec160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：折り紙付き | 作成日時：2018年12月25日 9時
