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だけど感じたのは、頭の上にふわっと何かが被せられるような優しいもので、
決して痛いものではなかった。
周りも一瞬で静かになり、一体何が起こったのかとゆっくりと目を開けると、
ちょっとでも動いたら触れてしまいそうなくらい近くにイケメン王子の顔面があった。
『わっ、!』
あまりの近さに思わず一歩引いてしまった。
何より周りからの視線が痛い。
JN「水ってすごく冷たいね!!アヒャッヒャッヒャッ
Aさんも風邪引かないようにね!」
『…えっ、なんで…』
絶対キレられると思ってたのに。
王子が発した言葉は、自分が想像していたものとは真逆で、思わず心の声が漏れてしまった。
JN「ヤーーー!
このWorld Wide Handsomeキムソクジンが、水かけられたくらいで怒ると思うのかー!?
僕はそんなちっちゃな男じゃない!!」
『えっ』
JN「それに僕は、女の子には絶対に手は出さないと生まれた時から神に誓ってるんだ!!」
…ん?
JN「チョンA!今のうちに、目の前に佇む水も滴るいい男を目に焼き付けておくといい!
何なら写真撮ってもいいよ!!!ヒャッヒャッ」
…え、ちょっと待った。
思ってたよりもかなり斜め上を行くこの男、一体何。
やっぱ、とんだ勘違い野郎だ。
ていうか笑い方よ。
周りの人はみんな、
"ソクジン様ぁ♡今日もカッコいいです〜♡"
とか言ってるし。
JN「もうこれで僕のこと知らないなんて言わせないからなー!!」
『…何かすごく顔とか首とか赤いですけど大丈夫ですか?』
JN「あっ、ヤーー!!!!それを言うな!!」
私に指摘されたのが相当恥ずかしかったのか、手で顔を覆いながらどこかへ行ってしまった。
周りにいた人も、そんな王子の様子を見届け、それぞれに散っていった。
食堂に私とジミンだけ取り残され、
一件落着、とお互いに顔を見合わせてホッと一息ついた。
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