How You Dare？【JN】 (ページ19)

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JN「えっ、」

『…あっ、』

JM「あ…っ、！！」

引っ張った勢いでコップから飛び出た水はきれいに宙を舞った。

そして、

目の前の王子の髪からは

水が滴り落ちていた。

JM「っ、Aさん！！ハンカチ！！」

私の横でひとり慌てふためくジミンだったが、

顔面に水をかけられたまま目を瞑り、微動だにしない王子と、

ことの重大さに気づいて、空のコップを持ったまま動けない私。

一切周りの音が聞こえなかった。

野次馬たちも、ここが食堂であることも忘れるような

音が全て消えて、まるでこの世界に二人だけになったような＿＿＿＿

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・

『…ご、ごめんなさいっ…、』

重い唇を動かしてようやく出した声は、自分でもびっくりするほどか細かった。

そして、それと同時にようやく時が動き出した。

聞こえてきた声は、全て私への罵声だった。

「ソクジン様になんてことしてるの！！」

「ふざけんな！！」

「出て行け！！！庶民が！！」

「調子乗ってんじゃねぇよ！！」

「ソクジン様に謝れ！！」

「土下座しろ！！」

初めてだった。

こんなに誰かに囲まれることも、大量の罵声を浴びせられることも。

初めて怖いと思った。

掏りの犯人ですら怖いとは思わなかったのに。

いつの間にか周り全てが私への土下座コールに変わっていて、私は下唇を噛むことしかできなかった。

JM「Aさん…っ」

横から心配そうに私の名を呼ぶジミンの声が聞こえた。

・

そんな時、

ずっと目を瞑っていた王子がゆっくりと瞼を開け、私のことを見つめてきた。

その瞳はあまりにも冷たくて、

まるで花が咲くような笑顔をする人と同一人物だとは到底思えなかった。

本当に優しい人が出す怖さとはこういうものなのか。

その真っ黒な瞳に吸い込まれてしまいそうになっていると、

グンと王子が一歩私の方に近づいてきて、

殴られると思った私は咄嗟に目を瞑った。