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そこにいたのは、井吹や平助、斎藤とそう歳は変わらないくらいの青年だった。
彼は、刀を右差しにしていた。
――右差し、流行ってるのか……?
一瞬、場違いな考えが頭に浮かんだ。
「その喧嘩、私が相手しよう」
彼が宣言した。
少し高めだが、深みのある声だった。
「貴様がか?」
「如何にも」
せせら笑う浪士に、彼は動じない。
すらりと抜刀した。
「何処からでもかかって来い」
続いたその言葉は、浪士の怒りに火をつけた。
「……この青二才がぁ!」
浪士は刀を振りかぶるが。
「――甘い」
ガキィンと音がして、刀がぶつかり合う。
青年はそのまま、浪士の鳩尾を蹴りつけた。
「ぐはっ……」
浪士が膝から崩れ落ちる。
「貴様ッ……」
青年の身体が翻り、続いて、残りの二人も崩れ落ちる。
「安心しろ、峰打ちだ。直ぐに医者に診せれば問題なかろう」
刀を鞘に収めながら、青年は浪士たちに向かって云った。
「お、覚えてろよ!」
浪士たちは、捨て台詞を吐きながら去っていった。
後には、巾着が残されていた。
青年は巾着を拾うと、町人の子供に云った。
「手を出せ」
男の子がおそるおそる手を出すと、その小さな手の上に巾着がおかれた。
次いで、青年の手が男の子の頭をポンポンと撫でる。
「さっきの言葉は、良かった」
町人は、青年の手が子供から離れたと思いきや、そのまま子供を連れて逃げていってしまった。
青年は肩を竦めると、井吹に振り返る。
「あんた、大丈夫か」
「あ、ああ……」
「りゅうのすけぇ〜!」
その時、聞き覚えのある声がした。
向こうから、藤堂、永倉、原田が走って来るところだった。
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Chris(プロフ) - ファーストMeさん» わーいありがとうございます! こっちの作品も神様ネタありますから、待ってて下さい! (。>ω<。)ノ (2017年6月15日 13時) (レス) id: c0c9efb09c (このIDを非表示/違反報告)
ファーストMe - “刀と共に生きてきました”から来ました!この作品も凄く良かったです!!更新待ってます!! (2017年6月15日 13時) (レス) id: d48a818a0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Chris | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chrisinfo/
作成日時:2017年5月23日 0時