色気がすごいよ夏油くん【夏油傑】 (ページ8)

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水も滴る夏油くんページ8

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｢ごじょ〜借りてた漫画返しに来たんだけど〜｣

｢五条さんは今居ませんよ｣

｢七海じゃん〜！！！｣

この子は後輩の七海。灰原くんとは違ってとってもクール。股下3mくらいありそうなスタイルしてる。

｢じゃあこれ五条の部屋に置いといて｣

｢嫌ですよ｣

｢そう言わずにさ！｣

嫌な顔をしている七海に漫画を押し付ける。なんか罪悪感に襲われるけど仕方ない。そろそろ始まるドラマを見逃す訳にはいかないからだ。

｢じゃあね〜よろしく！！｣

色々文句を言われる前にダッシュで逃げる。すまんな！七海！！

｢うわっ！｣

前を見ずに走っていたせいで人とぶつかってしまった。

突然の出来事だったが当然、受身は取れる。

｢大丈夫かい？あれ、A？｣

｢えっ、夏油くん？｣

座り込んでしまった私に手を差し伸べてくれたのは夏油くんだった。

｢ありがとう…夏油くんっ…はっ？ちょ、まさかのお風呂上がりとかですか？？｣

｢うん、そうだよ｣

目の前に立つ夏油くんはいつもの夏油くんじゃなかった。

下ろされていて少し濡れた髪。紅潮した頬。ラフな格好。

｢え、｣

｢〝色気が！！〟だろ？｣

｢おっしゃる通りでございます｣

先読みされてしまった……。だって凄いんだよ…。いつもの夏油くんでも色気の蛇口なのに、今の夏油くんはもはや色気の雨だよ…。豪雨だよ。

｢……｣

これはレアな光景。今のうちに目に焼き付けておかなければ。

｢…ふふっ…何ジロジロ見てるの？この助平｣

｢ヒュッ｣

あまりの色気の濃密さに息を飲む。色気爆弾…！！色気で目が潰れる…。

｢もうダメです夏油くん。色気出さないでください…。死ぬ…死ぬから…｣

｢そう言われてもね｣

｢もうやだこの人｣

その後、頭を抱えて蹲っている所を無事(?)七海に目撃され、先輩としての矜恃を失ったのであった。