好きだよ夏油くん ページ16
＿
びゅうと強い風が吹き、なびいた髪が一瞬だけ視界を隠した。
目の前の想い人はこちらを見つめてくる。
｢あのさ、今日の夕方、夏油くんのことを見たんだ。
知らない女の人と居たから話しかけられなかったけど…。夏油くんったら、彼女がいるなら言ってくれればよかったのに｣
無理やり口角を上げる。緊張で声が震えて裏返ってしまう。
｢言ってくれれば…期待せずにすんだのに…｣
｢それは……｣
目頭が熱くなって涙が込み上げてくる。でも泣いちゃダメだ。ここで泣いてしまったら負けな気がする。
｢好きだよ、夏油くん｣
蛍光灯に照らされた夏油くんの表情は驚愕といったところか。
｢こんなこと言われても迷惑なだけだよね、ごめんね｣
振り返って、走る。もう夏油くんの顔を見ていられない。泣いてしまいそうだし、諦めきれなくなりそうだから。
｢ちょっと、待ってくれないか｣
がしっと肩を掴まれる。どうして追いかけてくる？どうして？なぜ？
｢なぜ君は諦めているんだい？私はまだ何も言ってないだろ？｣
｢なぜって…｣
｢もう君は私のことが好きではないの？｣
は？何を言っているの？もう期待させるような事を言わないでよ。
｢どういうこと…？｣
｢私は君に出会った頃から、ずっと君のことが好きだったのに｣
｢であっ、は？｣
夢、多分夢だと、思う…うん。は？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 734人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいすくりぃむとちょこれぃと - えっちだ… (2021年12月30日 0時) (
レス) @page21 id: 8ef3002cf4 (このIDを非表示/違反報告)
てんぎつね。 - 感動物語やあぁ………………………………… (2021年7月31日 8時) (レス) id: 04fcd4138c (このIDを非表示/違反報告)
――――― - 更新待っています！ (2021年4月3日 20時) (レス) id: 5dc69588e6 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - さつきさん» たった今更新しました！更新頑張ります！ (2021年3月18日 18時) (レス) id: 4fa03405f9 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 天さん» ありがとうございます…！サボっててすみません… (2021年3月18日 18時) (レス) id: 4fa03405f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：澪 | 作成日時：2021年3月7日 13時
