･存在と過ち ページ31
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体育館の中では様々な部活動が盛んに行われる中,俺達バスケ部は間近に迫った大会に向けて練習をしていた。
キュッキュとなるバッシュの音,ボールを弾ませる音…そんな音に囲まれる中練習は夜遅くまで続いた。
先輩達が後輩の俺達に仕事を押しつけ帰る中,俺はシュート練を無心でやっていた。
後輩達が心配そうに見つめる中,ドアの近くに見覚えのある姿を見つけ近付くと彼は穏やかに笑った。
春「何しに来たんだ,紅葉」
話があるとだけ伝えると,紅葉は体育館を出て行った。
そう言えば最近アイツの雰囲気が変わったような気がする。前みたいに"笑わない"
心配になりながらもすぐに掃除済ませ制服へと着替えた。
ｰｰｰｰ
学園を出てすぐの所に紅葉はいた。俺の手を引き連れて行かれたのは学園内にある花園。
確かここは生徒会長専用だと聞いていたが,誰でも入れる事を初めて知る。
紅「ここ…普段生徒会長の関係者以外立入禁止だから秘密にしてね♡」
…だよなw入れるわけないよな,でも何故ここの鍵を紅葉が持っているのか,不思議だったのにも関わらず俺は何故か聞かなかった。
聞く隙がなかったと言えばいいのだろう,紅葉は真剣な顔で俺を見る。
紅「春くんにね…"体育祭"の事謝りたくて…」
体育祭と聞いて脳裏にあの時の嫌な光景が広がる。
今思い出しても尚苛立ちを抑えられない,落ち着け,今は紅葉の話を聞かないと…
紅「雪ちゃんを襲うように先輩達に言ったのは…ぼくなんだ」
プチッと何かが破裂したのに合わせ,咄嗟に自分の腕を押さえる。
紅葉が雪を…？何の為に？2人は友達のはずだよな…
紅「雪ちゃんと春くんが仲良くなるのが嫌で,嫌がらせ…して,2人の中を裂きたかったんだ…」
…思い出したくもない事を何で今言うんだよ。
仲良くなるのが嫌？何がだめなんだよ…
あぁ,そうか。紅葉は昔から俺のこと…
"だからって許されるのか？"
春「いい…終わった事だ,それとその話はもうしないでくれ。思い出したくないんだ」
紅葉の横を通り過ぎようとした時,彼は小さな声で言葉を零した。
それに振り向く事もなく俺は走って寮へと帰った。
『…君の隣がぼくじゃなくてよかった』
春「………」
雪「春,どうしたの？」
雪の身体をソッと抱くと頭を優しく撫でられる。
もし雪が知ったら2人の関係は終わるのだろか。
でもそれは雪自身は望んでいない,壊れてほしくないはずだ。
今は自分の隣にいる存在がいかに大切なものか,俺はそれだけを考えていればいいんだろうな。
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B民(プロフ) - 中途半端な愛さん» コメントありがとうございます,今後の2人の展開を楽しみにしていてください♪ (2019年2月3日 1時) (
レス) id: 572b3d69bd (このIDを非表示/違反報告)
中途半端な愛 - 夏月たちがどうなるのか気になります！ 読んでいて感情を揺さぶられる作品で、、、最高です。最高。 更新頑張ってください！ (2019年2月2日 23時) (レス) id: 55fb495860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：B民 | 作成日時：2018年7月24日 20時
