《ツイステ》記憶を取り戻した少女は歪んだ世界で何を思う《鬼滅の刃》 (ページ18)

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五十七話:理解者(更新再開します！) ページ18

さて、気を取り直し。

アズールは気になっていたことを話題にした。

ｱｽﾞｰﾙ「何故、貴方が寮生の分まで働いたんですか？対価がある訳でもないでしょう。」

『私は対価は望んでいない。元々物欲も人の生来の欲求も少ないんだ。何より、こんな私を受け入れてくれたリドルに、礼をしたいと思うのはダメか？多少であれ、寮生が頭を冷やしてりどるの負担が減るのなら、私はそれでいい。』

ｱｽﾞｰﾙ「......どうやら、貴方とは合わないようですね。」

『そうか？別に、貴殿のやり方は私は構わないと思っているぞ？』

不思議そうな顔をしたAに、アズールは驚愕した。

まるでロイヤルソードアカデミーの生徒のような、模範的で善意で溢れた答え。

そんな答えをだした彼女が、自分のやり方に反対をしない？

その矛盾に対する疑問が浮かんでいたのか、Aは少し笑った。

『不思議か？まぁ、対価は要らないといっても、それはあくまで相手に非がない場合と、命の危険が起きた場合だけだ。

自業自得、因果応報。人にものを頼み、その条件を満たそうとしなかったものに助けはいらない。イソギンチャクの着いていた生徒はほとんどが勉強せずににギリギリまで遊んでいた連中だ。助ける必要も無い。

今回限りだ。ただ、りどるの為に、あまりシフトを詰めすぎないでくれるとありがたいがな。まぁ、そこはあずーるの気持ち次第だが。』

悪徳商法だろうと、その契約に同意したのは紛れもなく本人だ。

事実は覆らない。そのため、Aは契約者たちを助ける気はさらさらない。

『まぁ、割に合わないのは事前に分かることだろうしな。それが分からないのならば、この先やっていけんだろう。』

Aの言葉が、一つ一つアズールの胸の中に解けていく。

初めて聞いた、自分のやり方への肯定の言葉。

『さて、私は帰る。

思わぬ伏兵に気をつけろ。』

それだけ告げて帰ったAの後ろ姿を、アズールは呆然と見ていた。

ﾌﾛｲﾄﾞ「なーんか、フグちゃんってやばそうだよねぇ。」

ｼﾞｪｲﾄﾞ「えぇ、底知れぬ何かを持っているような。フグ、というと可愛らしい見た目と裏腹に、猛毒を持っていますからね。」

ｱｽﾞｰﾙ「......底知れぬ何かを持っているような、ではなく、持っているんでしょうね。」