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「萩原と喫茶店-5」ひと休み短編 ページ44

千速「中から出てくる様子もないし、どうしたものか…」

萩原「喫茶店の人かもしれないね」

千速「だが逆なら大変だからな、行かずに後悔よりはマシだ」

耳を澄ますと暗がりの中物音が微かに聴こえる。それが一体何なのかまでは分からない。
様子を見始めて1時間、裏口から人が出てきた。

萩原「姉ちゃん!」

千速「黒だな、行くぞ!!」

車から降りて挟み撃ちにするとすぐさま人質と思われる女性を盾にしだした。

萩原「警察だ、無駄な抵抗はしないで話を聞かせてもらおうか!」

女性は眠らされているようだ。
姉ちゃんと目が合う。何となく意味を察知して頷く。

千速「店の売上金を狙ったんだろうが、年末だからなかったんだろうね」

合図で一斉に飛びかかる。
犯人はあっさりと捕まり、女性は保護された。
電柱に括りつけて要請したパトカーが来た時には20時を指していた。

千速「腹が減ったな」

萩原「そうだね…」

女性も無事保護してもらえたけど俺らのレストランは結局入ることが出来なかった。

千速「仕方ない、車で何か食べるか」

そう姉ちゃんが言った瞬間にある場所を思い出した。
せっかくだから姉ちゃんに紹介しよう。

千速「紹介って彼女か?」

萩原「違うよ!陣平ちゃんの未来の彼女になる予定の子!」

千速「なんだそれ」

萩原「俺らの可愛い妹分だよ、姉ちゃんも気にいると思う」

千速「へえ、警察官?」

萩原「花屋だよ」

頭の回転が速い姉ちゃんの頭上にハテナが浮かんでいる。
まあ同僚っての言えないからね。

萩原「今老若男女、警察官も立ち寄るくらいの人気の花屋だよ」

「陣平ちゃんは常連なのさ」

車を店前に付け、クローズと書いてある看板を無視してカランカランと中に入る。

A「萩原さん!」

そこにはやっぱり居ました陣平ちゃん。

松田「…!?なっ、なんで千速がいんだよ!!」

萩原「姉ちゃんと年越しする予定だからね」

千速「悪かったなデートを邪魔しちまって!研二が紹介してくれるから着いてきただけだからな」

松田「デート、じゃ!ねえ!!」

顔真っ赤だなぁ、陣平ちゃん。

A「はじめまして…萩原さんにはよく花屋手伝って貰ってます」

萩原「綺麗だろー?俺の姉ちゃん!」

A「はい!お写真よりもすっごい綺麗です!」

千速「写真見せてたのか」

萩原「まあねー」

千速「萩原 千速だ、神奈川県警にいる。これからも2人をよろしく頼む」

不貞腐れる陣平ちゃんをよそに俺と姉ちゃんは紅茶を入れて貰った。

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ナギ(プロフ) - 113の風見さんと景光のやりとりですが、風見さんは景光の上司なので風見さんがタメ語で景光が敬語ですよ! (2022年11月20日 21時) (レス) @page2 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kne.hrknt(ハル) | 作成日時:2022年6月8日 11時

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