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今日は今までに経験もしたことがないような忙しい日だ。どうやら人手不足らしい。あちこち走り回って、最後に座ったのはいつやろうか。
「Aさん、今から入れる？！」
『あ、はい！いけます！』
束の間の休息だったが、この仕事に就いた以上覚悟していたことだ。重い腰を思いっきり上げる。駆け足で先輩に着いて行き、スタジオに入る。
『よろしくお願いします！』
そう頭を下げると、返ってくるはずの返事はなく現場はシーン、としている。あれ、何か間違えたんやろか。恐る恐る頭を上げると、見慣れた衣装。1人の男性とバチッと目が合う。
『あ……』
「…A？」
和くん、や。ドクンと心臓が鳴る。あかん、切り替えなきゃ。すぐさま視線を逸らし、何かやることはないかとスタッフさんの元へと動く。
今日は忙しいし、私のわがままがとおるなんて思ってちゃいけん。仕事は仕事や。
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順調に仕事をこなし、収録は終わった。今日の仕事はこれで終わり。そそくさと帰ろうとすると、先輩に引き止められる。
「なにわ男子の大橋さんにさっき名前呼ばれてたけど、知り合いなの？」
『あ、まあ少し…』
ははは、と乾いた笑いをし、それでは〜と言って出口へ向かう。一刻も早くここから出たい。取っ手に手をかけ、外へ出ようと1歩踏み出した時、誰かが私の手首を掴んだ。
後ろから、嗅ぎなれた香水の匂いがふわっと香る。私が振り向くより先に、彼が口を開いた。
和「ずっと、会いたかったっ…」
その言葉にスタジオに残っているスタッフさんや出演者の方が一斉にこちらを向く。まずいと思い、和くんの腕を引き外へ出た。
人通りが少ないここなら大丈夫だろう。手を離し、向かい合う。
『人前であれは…』
和「なあ、なんで、？理由もちゃんと聞いてへんのに一方的に別れるなんて」
和くんの目に涙が溜まっているのが分かる。その姿に心が揺れる。和くんの姿を見ないように、視線を逸らした。
『…なんでもいいやろ。とにかくもう連絡も取れへんし、会っても話さへんから』
あの日と同じように、走って帰る。唯一あの日と違ったのは、和くんが追いかけてきたこと。
和「お願い、気が向いたらでええから、電話して。いつでも待ってるから」
ブロックしたの、気づいたのだろうか。手に電話番号を書いた紙を握らされた。…懐かしいなあ、この文字。
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貞子(プロフ) - ありがとうございます。 (2022年8月19日 11時) (
レス) id: 2380fe239f (このIDを非表示/違反報告)
みずたま(プロフ) - 貞子さん» パスワードはmizuです。パスワード保護状態のときは更新しませんが、それでよければ！ (2022年8月19日 11時) (レス) id: 3593907927 (このIDを非表示/違反報告)
貞子(プロフ) - その恋心のパスワード教えて欲しいです。 (2022年8月19日 6時) (レス) @page1 id: 2380fe239f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずたま | 作成日時：2022年8月17日 0時
