煉獄瑠火 ページ24
梅雨が過ぎ、真夏の太陽が毎日照りつける。涼をとる手段と言えば去年の夏に買った風鈴の音色のみ。今年の茹だるような暑さは瑠火の体力を容赦なく奪い、最近は床に伏せていることが多くなった。
杏寿��は強くなるために稽古を、Aは瑠火に代わり家事や千寿��の世話を、槇寿��は炎柱の責務に邁進した。「自分が頑張れば瑠火が元気になる筈だ」誰もがそう願い、そう信じた。何の根拠もないが、そうするしかなかった。
ある日、杏寿��が瑠火の部屋へ呼ばれた。縁側を吹く風に、風鈴が涼やかな声で歌う。
「杏寿��」
「はい、母上」
「よく考えるのです。母が今から聞くこを。何故、自分が人よりも強く生まれたのか分かりますか？」
瑠火は病身でありながら目には強い力を宿し、凛とした姿で尋ねる。
「…、うっ…、分かりません！」
幼い杏寿��は言葉を詰まらせる。今日までは
稽古しただけ強くなっていくことが、ただ楽しく、父のような強い剣士になることだけが目標だった。己が強く生まれた理由など微塵も考えたことはなかった。
答えに窮する杏寿��を諭すように瑠火は言葉を続ける。
「弱き人を助けるためです。生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者は、その力を世のため、人のために使わねばなりません。天から賜りし力で人を傷つけること、私腹を肥やすことは許されません。弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です。責任を持って果たさなければならない使命なのです。決して、忘れることのなきように」
「はい！！」
いつもは厳しい母が手を伸ばし自分を抱きしめようとしている。戸惑いながら母の腕に抱かれた時
「私は、もう長くは生きられません。強く優しい子の母になれて幸せでした。後は頼みます」
頭の上から聞こえる声、流れる涙に杏寿��も目を潤ませた。
＊＊＊
Aは一人、廊下の雑巾がけをしていた。
「A、母上がAとも話をしたいと仰っている」
急に声をかけられ俯く杏寿��の顔に目を向けると目頭にうっすらと涙の跡が残っている。何故か理由を聞くのが憚られる、いや聞きたくなかったのかも知れない。
Aに背を向け、自室に戻った杏寿��の背中を見送るとAは瑠火の部屋へ向かった。
「失礼します」
瑠火の部屋へ入り、布団の横に正座をする。上半身を起こした瑠火が真っ直ぐな眼差しでAを迎えた。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 今回は冨岡さんを多めに登場させる予定です😀冨岡さん、あんまりお喋りが得意じゃないから「難しいなあ」って、思うんですが、カッコいいのにどこか天然で可愛い人ですよね😃💕 (2021年10月16日 0時) (
レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - 冨岡さん登場😳✨夢主ちゃんも隊士になり、これから煉獄さんとどんな展開になっていくのか楽しみです✨✨ (2021年10月15日 14時) (レス) @page50 id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
猫巻(プロフ) - 衣世さん» 衣世様、もう信じられないくらいカッコいいですよね！制作側に煉獄さんガチがいるとしか思えませんね💕 (2021年9月26日 14時) (レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 羽織わさっ！わかります！ぎゃあぁぁぁ(*/∀＼*)ニヤニヤが止まらないですよねっ！！ (2021年9月26日 10時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
猫巻(プロフ) - 桃平さん» 桃平さん、おはようございます😃ホント、楽しみですね！おこがましいですが、こっちの煉獄さんも公式様に負けないくらいカッコよくできるよう頑張ります🙋 (2021年9月26日 9時) (レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年7月7日 2時
