簪 ページ12
麗らかな春の陽気を感じるようになったある日、
「A！今日は少し遠くまで走り込みに行かないか？」
Aが、煉獄邸に世話になってからは、まだ子供だけで外へ行ったことはない。物事を一人でさっさと決めてしまう杏寿��はAの返事も聞かずに大きな声で、瑠火を呼ぶ。
「母上！母上！」
「杏寿��、そんなに大きな声を出しては千寿��が起きてしまいますよ」
瑠火が、人差し指を唇にあて咎める。
「Aと走り込みに行きたいのです！」
それを聞いた瑠火は、水の入った瓢箪とおやつの金平糖を用意してくれた。それを風呂敷に包み杏寿��が背負う。Aも、もう走り込みに付き合うしかない。
「必ず、日が落ちる前に戻るのですよ」
瑠火の言葉に「はい！」と返事をして杏寿��とAは駆け出した。
始めの数分間は杏寿��と一緒に走ることができたが、徐々にAは遅れ始める。
「大丈夫か？よく頑張った！」
杏寿��は風呂敷をAに渡し、Aを背負った。水の入った瓢箪はなかなか重たい。これを背負い、あんなに早く走り、更に今は自分を背負って走っている。
杏寿��に負けないくらい走れるようになりたいとAは思う。
四半刻程、杏寿��の背に揺られた後
「一寸、休憩しよう！」
さすがの杏寿��も疲れたのかと思いながらAが背中から下りると、目の前に白詰草が咲き誇る景色があった。
「父上と走り込みに来たときに見つけてな。Aを連れて来たかった！」
二人は白と緑に色づいた絨毯に座り、喉を潤し金平糖を食べる。
「杏寿��、お土産にしない？瑠火様と千寿��の！」
そう言いながらAは器用に白詰草で花冠を作り始める。杏寿��も慣れない手つきで、それを真似る。その辿々しさに
「私が瑠火様の冠を作るから、杏寿��は千寿��のを作って。小さくて大丈夫だから」
とAは声をかけた。
「よしっ！完成！」
Aが杏寿��の手元を見ると、まだ2〜3つの花を繋げただけ…。
「ありゃぁ！私が作った方がいいね。杏寿��は少し待ってて！」
手際よくAは、小さな花冠を完成させた。気付くと杏寿��が、白詰草を数本手にしてAの隣に座っている。瑠火と同じように右側に髪を束ねているAの左耳に、杏寿��が白詰草を飾る。
「母上は、特別な時に父上から贈られた簪を付けるんだ！これは、僕からAへ。白詰草の簪だ！」
その後、杏寿��に背負われ帰宅したAは「白詰草の簪」を押し花にし宝物にした。
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猫巻(プロフ) - 桃平さん» 今回は冨岡さんを多めに登場させる予定です😀冨岡さん、あんまりお喋りが得意じゃないから「難しいなあ」って、思うんですが、カッコいいのにどこか天然で可愛い人ですよね😃💕 (2021年10月16日 0時) (
レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
桃平(プロフ) - 冨岡さん登場😳✨夢主ちゃんも隊士になり、これから煉獄さんとどんな展開になっていくのか楽しみです✨✨ (2021年10月15日 14時) (レス) @page50 id: 338e350c4a (このIDを非表示/違反報告)
猫巻(プロフ) - 衣世さん» 衣世様、もう信じられないくらいカッコいいですよね！制作側に煉獄さんガチがいるとしか思えませんね💕 (2021年9月26日 14時) (レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
衣世(プロフ) - 羽織わさっ！わかります！ぎゃあぁぁぁ(*/∀＼*)ニヤニヤが止まらないですよねっ！！ (2021年9月26日 10時) (レス) id: 1ea4fe96cf (このIDを非表示/違反報告)
猫巻(プロフ) - 桃平さん» 桃平さん、おはようございます😃ホント、楽しみですね！おこがましいですが、こっちの煉獄さんも公式様に負けないくらいカッコよくできるよう頑張ります🙋 (2021年9月26日 9時) (レス) id: 1125bff897 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫巻 | 作成日時：2021年7月7日 2時
