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79話 ページ32

Aがただリドルに受け入れられ続け認められ続け、少しだけ弱い部分を見せ──甘えはじめているだけと言うことにリドルは気付けた。気付けて、リドルはAの頭へそっと唇を落とした。

Aはなんのキスだと頭を持ち上げ首を傾げる。するとリドルは肩を竦めて。


「殴っていいなら、これもいいかなって」

「……キザなことやってんじゃねぇよオレ相手に」

「キザかな……」


指摘され恥ずかしげに口を膝へ埋めるリドルの、頭を撫でる。

かわいい奴だ、と思った。

今お菓子を持っていたら、持ってる中で一番美味しいやつをこのかわいい頬にぐりぐり押し付けてやりたいと思った。それくらいかわいい弟だった。


「……リドル?」

「なんだい」

「母さんとこ行ってこようかな、オレ。あっちから出向くのにまだしばらくかかんなら、さっさと終わらせて帰りたい」

「……」

「許せねえけど、それはそれとして殴ったことは謝りてぇし」

「……一緒に行っていい?」

「勿論だろ」


よかった、とはにかむリドルは頬を薄く赤に染めていて、大きな瞳に自分を映していて。

思わず微笑んだ。









2人で階段をゆっくり、ちゃんと音を立てて登る。突然来られたら驚いて事故になりかねないから。

強張った身体に冷や汗を浮かべているAと対照的に、リドルは──若干の緊張は読み取れるものの──ふわふわとした微笑みすら浮かべていて。


「ボクが居るから」


リドルはそれだけを微笑みから発して、Aの手をそっと握り、Aとドアの前で視線を絡ませて。

Aがこんこんこんとした母親の部屋へのノック音が、思考を揺らす。


「……お母様、申し訳ありません。お久し振りです、Aです」

「……リドルは?居るの?」

「はい、お母様」


突如として扉が開き──母親が姿を現──母親はリドルの肩を掴み部屋の中へと引き摺り込み、扉を閉め──しかし、手を繋いでいる故にAの手が扉へ挟まる。


「っ……A!」

「リドル!手を離しなさい!」

「大丈夫だリドル、手を離して」


リドルは見る──Aの手へ憎々しげな顔を向けている母を。そして、母親の足で強く閉められた扉に挟まっている細いAの腕──自分と手を繋いでくれている──を見て。


「……お母様、Aも入れてあげてください」

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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける!素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ! (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ウワーありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました!!読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした!✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……!!!🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ヤッター‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたし | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月25日 7時

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