78話 ページ31
「言わせておくれよ。ねえ、ねえA。ボク、キミがお母様を殴った時、ボクが小さかったから、2人ともそんなに変わらない大きさに見えていたんだけど、ねえ、よく考えてみたら、キミあの時エレメンタリースクール通ってただろう。ただでさえ昔から小柄だったんだから……お母様と20cm近く違ったんじゃないか」
「……」
「キミいっつもお母様に何か言って怒らせてたし、怖くないと思ってたんだけど、怖くないわけなかったよね。そんな、20cmも違う、暴力を振るってくる人なんて。その前なんてもっと差があった訳だし」
「……」
「ありがとうね、A。ありがとう」
「……」
「だからさ、Aが今怖くて苦しい理由を教えてくれないかい」
「……」
「ねえ、教えてくれるだけでいいから。別にボク、それで何かしたりする訳じゃないんだから」
リドルの体温が甘えるようにもたれかかってくるのが心地よくて狡いと、そう思った。
「……何も、すんなよ」
「うん。キミがするなって言うならしないよ」
「……許せねぇんだよ、父さんも、母さんも」
「どうしてだかわかったりする？」
「誰にだってのっぴきならない事情はあるんだよ。でも、それ言ったらどんな犯罪だってそうだろ。一方的にガキ殴って、許される訳がねぇって、タダでなあなあに許していい訳ねぇだろってオレがずっと言ってて」
「……」
「でも、オレに関することではもうオレは怒っちゃいないんだよ。あんまり殴られてる時の感覚も覚えてねぇし。むしろこびりついて離れねぇのはお前が殴られてる時の映像で」
「……うん、そこは思った通りだ」
「……はぁ。ほんで、お前が許せねぇって言うならオレが殴っても全然いいが、お前特にそんな様子もねぇし……お前が許してんなら、なんの怒る理由もねぇのに、なのに許せねぇんだよ」
リドルは楽しげに、悲しげに微笑んでいる。
それを見てAは、微笑みを返した。
「いつかさ、せめて殴られてる時殴り返せるようにって思ってお前殴ったけど……本当に、ただただやんなきゃよかったな」
「……」
「一発じゃ足りないってのはあん時からずっと思ってっから、今殴り返してくれてもいいぜ」
「……ふふ、そんなこと言って」
気分のとことんまで落ちているせいでそんなことを言うA。そんなことを言われたら、これまでのリドルであればまともに受け取って困惑しただろうが。
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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける！素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ！ (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ｳﾜｰありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました！！読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした！✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……！！！🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ﾔｯﾀｰ‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
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