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51話 ページ4

「……なあリドル、今度のホリデーさ……そうするとどっちに帰るんだ?」

「あ……それは……」

「オレが今住んでる方の家が、お前のことも受け入れたがってくれてるってこと、知ってるだろ?」

「うん……」


それでもどこか歯切れの悪いリドルの様子に、なんとなくリドルの中での順位を垣間見て、くすりと笑う。


「オレもお前には来てほしいけど、無理強いはしないからな。もうオレよりあの家ベテランな訳だし、オレよりお前の判断の方が正しいだろ」

「……お母様に、……相談してみよう、かな」

「んー……まあ、来るなら絶縁覚悟した方がいいぜってのは、思うけどな」

「……」


黙ってしまったリドルをこちら側に引き寄せることも、突き放すことも憚られて。


「お母様、……まだ、ボクを一番に愛してるって、言ってくれるから」

「あー……そうか」

「……」


躊躇いがちに向けられる視線には、あからさまな信頼と期待が入っていて。

それを無下にできるはずもなく。

よしよしと頭を撫でてやる。


「オレも一番にお前のこと好きだけどな」

「……ぅ、嬉しい」

「嘘じゃないぜ。本当に、お前のことが一番心配だし、一番幸せになってほしいって思ってる」

「……」

「お前は本当に良い奴なのに、報われてなさすぎるって、ずっと思ってる」

「……」

「向こうの家に行ってから、オレのせいで尚更締め付けが厳しくなったんじゃねぇかってすげぇ心配で、何回も警察に通報したぜ」

「……!あ、あの警察、キミが」

「ああ。お前が助けを求めたらすぐどうにかしてくれるよう頼み込んでおいたから……記録に残ってるだろうし、ホリデーあっちに帰って、また何かされたらすぐ警察呼べな」

「……」

「風が強い日とか、お前眠れるかなってすげぇ心配だった」

「……Aは二歳から1人部屋で大丈夫だったのに」

「いんやぁ、全然大丈夫じゃなかったぜ。単純に意地になってめちゃくちゃ我慢してただけだ」

「そ、そうだったの」

「だってリドルめちゃくちゃ可愛かったしな。あんな可愛いやつにかかりきりになるの、当たり前だろ。……ま、オレとしては今のお前の方が可愛いけどな」

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功徳(プロフ) - オパールさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました🥰他の作品でもお待ちしてます🥰 (11月10日 20時) (レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - 2人ともかっわいい…。溶ける!素晴らしい作品を作ってくれて、本当にありがとうございますっ! (11月10日 20時) (レス) @page47 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - Shiroさん» ウワーありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しいすぎる……😚😚😚好き…… (2023年1月14日 23時) (レス) @page17 id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
Shiro(プロフ) - 初めまして、コメント失礼いたします。素晴らしい作品をありがとうございました!!読み進めていくうちに心が抉られ揺さぶられ、感動の連続でした。心情を細やかに書き出すことのできる語彙力・文章力、私も見習いたいです。本当に素敵な作品でした!✨ (2023年1月4日 2時) (レス) @page47 id: 033ac6eba0 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - チョコドーナツさん» お読みいただきありがとうございましたすぎる……!!!🥰🥰🥰タイトル回収のとこ盛り上がると思ってたのでめちゃ嬉しいです🥰🥰🥰ヤッター‼️ (2022年8月1日 12時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わたし | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月25日 7時

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