救済13 ページ14
確かに髪は短いままだったけどそんなこと気にならなかった
目の前には桜の花のような儚くも凛とした美しい女性がいた
顔は面で隠れているけどとても澄んだ霊力で悪い人じゃないとわかる
｢あの人は……？｣
あたりを震えながら見渡す乱藤四郎にふんわりと笑いながら答える
｢ここにはいませんよ。まあ、もう時期会える頃でしょうけれど｣
その答えに乱藤四郎はああ、捕まったのかと思った
捕まったら彼に生きる資格はなくなる
恐らく逃げきれても政府に消されるだろう
紫は乱藤四郎の髪に触れあとで整えましょうかと悲しげに言った
ざっくりと切られたそれは伸びるまで多少時間はかかるだろうけれどそれでもこの目の前の審神者が悲しむのは何故か辛かった
｢そんな顔しないで。短い髪もいいなぁって思ってたんだ｣
と嬉しそうに言ってみた
｢いめーじちぇんじってやつでしょ？｣
と笑うと彼女も笑ってくれた
すると彼女の動きが一瞬止まった
ふわりと桜の花びらとともに鳴狐が姿を現した。
乱藤四郎はその姿を見ると鳴狐さん！と嬉しそうに名を呼んだ
鳴狐は乱藤四郎に手で狐を作ると少し微笑み紫に報告を始めた
自分の声でちゃんと伝えていることに少し驚くがどうやらこの審神者を気に入っているらしい
｢前任が結界をはって重症の小夜左文字を人質にして立てこもってる｣
｢小夜殿は少しでも傷が増えれば折れてしまうやもしれませぬ！主殿！いかがいたしますか？あの男……鳴狐ならば簡単に斬り捨てることができますが……｣
お供も少し焦っているらしく珍しく物騒なことをさらっと言ってのけた。
二人の目は赤く柘榴の実のように輝いていた
紫は立ち上がると国行にも状況を聞き始めた
『明石国行、結界は破れそうですか？』
それに対して明石国行はため息をつくと苛立ったように言った。
『いくら自分でも無理ですわ。こないに強固でしかも人質とられよったら何も出来まへん』
恐らく今頃彼も瞳の色を変えていることだろう。
明石国行ですら破れないのなら自分が行くしかない
乱藤四郎に少し言ってくるが大丈夫か？兄たちの元に戻るか？と聞くとここで待って髪を整えてから戻るというので早く終わらせて綺麗に整える約束をして前任の元へ鳴狐を連れて行く
やはり人間は愚かな生き物だとふぅと小さく溜息を吐きながら長い廊下を進む
玄関近くの一室に結界と数名の刀剣男士の姿が目に入った
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛々 - 明石、ここでも寝てるのか...(ToT) (2019年10月24日 16時) (
レス) id: 9f94443348 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！続きが気になります！続き頑張って下さい！ (2018年11月25日 16時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
桜美舞 - めっちゃ続きが気になります！更新頑張って下さいね！ (2017年2月23日 0時) (レス) id: 5518585154 (このIDを非表示/違反報告)
華杏萌葱(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく読んでます！１６話読んで思ったんですが、乱ちゃんの鳴狐の呼び方、違ってませんか…？ばみちゃんにも兄さん付けてるし…。私の思い違いだったらすいません…。これからも更新頑張って下さい！応援してます！！ (2017年2月8日 12時) (レス) id: a23c971960 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梅じそつくね | 作成日時：2016年10月7日 2時
