45ページ ｲﾙﾐ ページ47
Aの家を出てすぐ、ヒソカと合流した。
「ヘェ〜、イルミはAが好きなんだ〜愛とか言っちゃって」
「なに？聞いてたの？」
何か企んでそうな笑みを浮かべるヒソカに半ば呆れる。
「全部聞ちゃった、惚れさせるなんて言うからボクもびっくり」
「…好きとか感情ないから、あれは本心じゃないよ、場を納めるために言っただけ」
「ふーん、じゃあ、なに？」
このモヤが、一体なんなのかわからない。
普通の人ならこれがなんなのかわかるだろうけど、暗殺しかして来なかった俺にはわからない。
ただ、婚約者だから繋ぎ止めておきたい。
そう思うようにした。
「…母さんが決めた婚約者」
「好きじゃないなら、断ればいいのに」
「誰でもいいから、面倒がかからなそうなAが楽」
「でも、逆に言えば誰でもいいなら、惚れさせなきゃいけない、めんどうなAじゃなくてもいいよね」
これを何と言うんだっけ… ああ、『ああ言えば、こう言う』って言うんだ。
「何が言いたい？」
「…ボクがAをお嫁に貰えばイルミが固執する必要もないと思ってね」
ヒソカがそう言った瞬間、ドロドロとした何かが俺の中で溢れて、さっきを抑えれず、ヒソカを睨むと、ニタァっとした笑みを浮かべていた。
「冗談だよ… それより、誰でもいい相手に対して何でそんなに嫉妬してるのかな？」
冗談、そう言われてもこのモヤモヤは薄れずにいた。
「そこの本屋で恋愛本でも買って勉強したほうが良いかもね、イルミは。じゃあボクは帰るよ」
背中を受けてひらひらと手を振るヒソカを見てやっと、ドス黒い感情が引いた。
そして携帯を確認すると、ヒソカからAの番号とアドレスが送られてきていた。そして、意味深な左矢印…
そっちに目線を送ると、ちょうど本屋があった。
「くだらない」
そう言って、俺は帰路に着き、部屋についた頃は辺りも暗くなっていた。
部屋のテーブルにはみ覚えのない、カバーのついた本。
パラパラと捲ろうとすると、何かが挟まっているのかそのページで開いた。
【恋のサイン？！恋愛のススメその1】とページに書いてあり、挟まっていたトランプを確認すると『イルミはここからだね♡』
と、書いてあった。
「…いらない」
そう思ってゴミ箱に捨てようとしたが。
Aが言う『愛』が一体なんだったのか、それを俺が与えてやれるのか、それが気になって、結局その本を捨てずにまた机の上に置いた。
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ねこ娘(プロフ) - あの無感情のイルミをそこまでキャラも崩さずに描けるの尊敬します、、、主人公もイルミも感情がないはずなのにちゃっかり恋しちゃってる？感じがなんとも、、、ついに旅団と関わっちゃうのかぁ！！続きがとても気になります。更新頑張ってください！！ (2020年3月20日 21時) (
レス) id: d91513b7f5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすてらんど(プロフ) - あぁぁぁ胸きゅんする！！！ (2020年2月9日 18時) (レス) id: b348ed70ca (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ワイワイタヤコンさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
花ノ絵(プロフ) - ありとあらゆる病原菌の自然宿主である黒猫さん» そう言ってもらえると嬉しいです！ (2020年1月18日 11時) (レス) id: dcfd5de193 (このIDを非表示/違反報告)
ワイワイタヤコン - 好きすぎて、読み返してる。 (2020年1月16日 1時) (レス) id: c66835a7d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花ノ絵 | 作成日時：2019年11月28日 23時
