【七種茨】Hug 2

茨は夢の中 ページ28

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長時間に渡って好きということ、恋についてを語られた。
そういえば昔、施設から出てすぐの時もかなりグレていた私を日和お兄様は諦めずに世間のことを教えてくれていた。

夕ご飯まで済ませたところで解散をして自室…基、茨の部屋へ戻る。



｢ぐえっ｣

｢ひっ！！｣



荷物を置き、ベッドへ腰かければ何かが潰れた声がした。
恐る恐るそれを見れば、うつ伏せになっている茨の姿が



｢……あれ、自分いまなにして、？｣

｢い、茨…？｣

｢A…？失敬、寝ぼけてでも女性の部屋に入ってしまうとは｣

｢いや元々ここ貴方の部屋なので間違ってはないですが｣

｢へっ？、……あ〜〜｣



完全に寝ぼけていたのだろうか
珍しく目がぱっちり開いていない茨。

というより、メガネ外した茨初めて見た。
眠たそうに目を擦りながらむくっと起き上がり、ベッドの上にちょこんと座った。



｢……A、今日どうしたの、そんなに可愛くして、｣

｢え、可愛い……？えっと、日和お兄様が嵐さんに頼んでくださってお化粧を、｣

｢男に触られたってこと？｣



半開きの目でジトッと睨まれる。
そうだけど、だからなんだと言うのだ

はい、と答えれば、茨の手が私の頬を撫でる



｢だめですよ、浮気…しちゃ……｣

｢茨？え、いばら！｣

｢ん……あぃぁ、い……｣



そのまま私の方に倒れ、体重をかけた状態で夢の中へ戻ってしまった。
なんということだ、浮気って、なんだ……？


疑問を残したまま、60キロほどある彼を正面に向き直り、抱き抱える。
鍛えていてよかった。

レッスンはしなかったのか、できなかったのか。
仕事終わりで、かろうじてジャケットは脱ぎ捨てられているが、ワイシャツのまま寝ていたため温もりが直に伝わってくる。



｢……これは借りですからね。｣



そのままワイシャツを脱がし、茨のバッグを漁ってEdenの練習着を着せる。
せめてこれで寝てくれ。

今日は茨の匂いが充満するこの部屋では寝れそうにない。

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