開始30分前 ページ38
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「すみません、戻りました!」
「A!よかったね、戻ってこないかと思って心配したね!」
「緊張してやばいっすね…吐きそう」
「ジュン、人はじゃがいもだと思うといいと私は教わったよ」
「じゃがいもよりキッシュがいいね!」
安心した顔をする日和お兄様に、緊張で顔面蒼白になっているジュン、それを優しく慰める凪砂様。
つい笑みがこぼれる。
「A!お疲れ様です!敬礼〜!」
「お疲れ様です、茨。」
「額に汗が滲んでいるようですが、大丈夫ですか?」
「少し野暮用で…もう解決しましたので大丈夫です」
「なら良かったです。」
「…茨、かっこいいです」
挨拶と、心配と、安堵の表情。
どれもかっこよくて、気づけば私の口からはその言葉がでていた。
咄嗟のことに自分でも驚き、片手で口を覆う。
「し、失礼しました!」
「ははは!いやぁ、アイドルとしては1番の言葉ですなぁ。A、ありがとうございます…殿下がジュンに気を取られている間だけ、許してください」
そう言い、茨は私の頭に手を置いた。
優しく白い手袋越しに撫でる
先程走ったせいで上がっていた心拍数は驚くほど落ち着いた。
「茨、」
「失敬。Aもせっかく髪を整えていたのに崩してしまいましたね」
「自分は先程走った時に崩れたので気にしませんが、…その、終わってからも撫でてほしい、です。」
「!…終わったら、また抱きしめてあげますよ」
少し照れたようにはにかんで、茨はそう言った。
会話はまるで恋人のようだが私達はただの仕事仲間。
嬉しいけど、この関係にはなんて名前を付けるんだろうか
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作者名:はなちゃ | 作成日時:2022年9月21日 22時


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