床と友達になった理由は ページ7
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先程から落ち着くことのない心臓の鼓動。
寂しいから一緒に寝るなんて、Aでなければ勘違いをしてしまうようなセリフだ。
無事にミーティングが終わり、お風呂へ入ってくるというAが部屋にいてほしいと言い、勿論待ちますとも！と言ってしまった自分を殴り倒したい。
売れっ子アイドルでも、青年実業家でも、所詮は男子高校生なのだ。
好きな女の子の部屋というのは落ち着かない。
｢はあぁ〜〜〜｣
閣下に勝手な行動を取られ、一日の予定が全て狂った時よりも大きなため息が出る。
何とか自分を落ち着かせようと、大きく深呼吸をしていた時だった。
『うわああああ！！！！！』
叫び声と同時に大きな音が聞こえた。
こんなセキュリティ万全なところに不審者でも入ったのか？
急いで廊下へ飛び出し、騒ぎの方へと向かう
広い館内であってもそれほど遠くはなかったようで、直ぐに人集りがみえた。
使用人たちに囲まれ、床に寝ていたのはよく知る髪色。
｢ジュン！？｣
駆け寄り、状態を確認する。
気を失っているだけで目視では大きな怪我は見えない。
｢茨、ジュンくんを客室まで運んでほしいね。｣
｢殿下！一体何が……｣
聞きなれた声の方に顔を向ければ、髪の毛からまだ水が滴るAと、Aを庇うように立つ殿下がいた。
俯いたAからは表情が伺えない。
ただ、ジュンとAの間で何かがあったことは確かだった。
｢…承知いたしました。｣
目は口ほどに物を言うとはよく言うものだ
今これ以上は何も聞くな、と嫌でもわかる目をしている。
使用人の一人が担架を持ってきてくれたため、ジュンをそこに乗せ案内されながら二人で客室へ運ぶ。
｢ジュン、生きてますか｣
｢っう……｣
｢はぁ、｣
顔を軽く叩きながらため息を零す。
何があったのか…誰か早く教えてくれ。
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作者名：はなちゃ | 作成日時：2022年10月12日 18時
