2LDKの一室で ページ21
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「随分と大きく取り上げられたねぇ、」
「まぁ、でしょうねって感じですけど」
「今ネット見るのやめとこうかな」
「それがいいですね。」
ソファに腰掛け、パソコンを打つ茨。
テーブルにブラックコーヒーを静かに置くとありがとうございますとしっかりお礼をしてくれる。
私も横に腰をかけ甘いミルクティを啜った。
「あはは、七種茨結婚…ねぇ」
「なんです?」
キリが良くなったのかパソコンを閉じ、柄のないペアのマグカップを傾ける。
テレビもつけてなければ音楽も流れていないけど、
2人だけのこの空間が心地良い。
「茨、ぎゅってしていい?」
「随分甘えたな奥さんですね。」
「うっ、奥さん、」
「まだ照れてるんですか?」
「そりゃあそうだよ!だってまさか自分が茨と、」
茨は私と結婚した。
プロポーズは夜2人で外を散歩をした時に星を見ていたときだった。
Edenはこの数年で更に人気が増し、知らない人はいないんじゃないかってくらい
そのユニットのメンバーであり、プロデューサーであり、所属事務所の所長になった茨が、となればそりゃ大騒ぎだ。
「初めてお会いした時は互いに警戒してましたけど」
「うん」
「今じゃこの距離ですからね。」
「これが落ち着くから」
「俺も、Aの隣が落ち着きます。」
左手の薬指に光るシルバーのリング
シンプルだけど2人の確かな証。
Edenの皆様も、弓弦様もたくさんの人が祝福してくれた。…日和お兄様は泣いていたけど、
「いばら」
「なんですか?」
メディアでは映されない茨の柔らかい表情。
自分の唇に重なる温かくて優しい茨の唇。
抱き締めてくれる時一緒に頭も撫でてくれる整った手。
「大好き」
「俺は愛してますよ」
その全部独り占めしちゃうんだから
これからも、ずっと。
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作者名:はなちゃ | 作成日時:2022年10月12日 18時