ただの知り合い2 ページ13
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『もしもし、Aはん?』
「もしも〜し…」
『久々に声聞けたわ』
一緒にランチしてから約1週間後
こはきゅんから時間あったら電話かけていいか?と連絡が来ていた。
もちろん退勤してたしご飯も食べ終わっていたため快諾
「どうかした?」
『いや、なんもないねんけど、Aはんの声聞きたくてなぁ、堪忍な』
……いやぁ〜、可愛い。
コッコッコッと笑って電話越しでもわかる嬉しそうな声
「…私も、こはきゅんの声聞けて嬉しいよ。」
『!!』
「あ!そうだ!一昨日のテレビ見たよ、新曲発表おめでとう」
『メッセージでも言ってくれたやん、おおきに』
「なんだかこはきゅんがいっぱい映ってたから嬉しくて!」
『…Aはんそれはあかんわ、』
なにかまずいことを言ってしまったのか、こはきゅんの声がもごもごして聞き取れなくなってしまった。
「あ、ごめんなんて?」
『なんでもあらへんよ。Aはん、ずるいお人や』
「えぇ〜なんでよ」
電話してる時ってスマホ持ってる反対の手で別のことをしがち。
ちょうどポストに入っていたチラシを片付けていた。
ふ、と目に入るスイーツの文字
「こはきゅん、甘いもの好き?」
『ん?好きやで』
……いや、私が言わせたのが悪い。
好きって自分に対してではないがなんかこう、キた。
「期間限定でスイーツ食べ放題やってるらしいんだけど…」
『なんやて!行くわ!』
「はは、嬉しそう、新宿らしいよ。HiMERUさんとか誘ってみれば?」
『Aはんと行くんやないの?』
「え?」
『Aはんとスイーツ食べ放題なんて嬉しゅうて仕方ない思うたんやけど、違うん?』
「そうです。自分とです。いつにしますか」
『さよけ。次お休み合う日にせん?』
電話だと話がテンポよく進んで、
そのせいで…いや、そのおかげでこはきゅんと会えることになった。
2週間後の木曜日。
自分たちの都合が合う日だ。
「すみません、カットとカラーの予約を…」
こはきゅんの電話が終わったあとすぐに美容室の予約を入れた。
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作者名:はなちゃ | 作成日時:2021年6月26日 21時