優しさをください。76 ページ9
学校生活2日目。今日も少し好奇の目で見られつつ、それでも昨日ほどではない質問に対して答えつつ、私は蘭ちゃんや園子ちゃんとお昼の時間を過ごしていた。
机をくっつけ合わせて、三人でお昼をいただく。
私は、安室さんに手渡されたお弁当を机の上に置いて広げた。
それを見て園子ちゃんが反応する。
園「Aちゃん、それって安室さんの手作り弁当？」
『え？あ、うん。知らないうちに作ってくれていたの。そこまで迷惑かけるのもどうなのかと思ったんだけど、せっかく作ったから持って言ってくださいって言われて……』
園「……安室さん、確信犯よね……」
『え、何？』
園「なんでもないわよ。で、お味は？」
『ま、まだ食べてないからわからないけれど……？』
にまにまとしながら私を見つめている園子ちゃんに困惑しながら私はそう答える。
お箸を持って卵焼きをつまみ、お弁当箱の中から取り出した瞬間。
佐「ぼくも一緒に食べてもいいかな？」
『！』
びっくりして、つまんでいた卵焼きをそのまま落としてしまった。一応、お弁当箱の中なので問題はないけれど。
振り返れば、ほぼ私の真後ろに佐竹くんが立っている。そのことに驚いて、私は思わず椅子から立ち上がって距離を取ってしまう。といっても、振り返って数は後ろに下がっただけなのだけれども。
私のその行動に驚いたのか、蘭ちゃんが私に声をかけてくれる。
蘭「Aちゃん、どうしたの、大丈夫？」
『あ、……う、うん。ごめん。ちょっと、距離が近くて驚いちゃっただけ…。佐竹くんも、ごめんなさい』
佐「いや、こっちこそごめんね」
困ったように私に微笑みかけながらそんなふうに言ってくれる佐竹くんに、私は少しゾッとしたものを感じる。
それを感じる要素などどこにもないはずなのに、なぜか怖い。
そんな考えを振り払うために軽く首を左右に振って席に戻るために足を踏み出す。
しかし、それは突然後ろから手を取られてバランスを崩したことにより、悲鳴が口からこぼれた。
『きゃっ！？』
蘭「えっ、Aちゃん！？」
私が突然バランスを崩したことに驚いて、蘭ちゃんがそう声をかけてくれる。私もなんとか自分でバランスを取ろうとしたけれど、それはできなくて、結局、引っ張られている方へと体を倒してしまう。
しかし、痛みは襲ってくることはなく、むしろふわりと優しく受け止められた。
驚いて振り向けば、そこには世良ちゃんが立っていた。
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霞葉 - このお話、とても好きです。続き、楽しみに待っています。 (2020年6月22日 12時) (
レス) id: a64398df50 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - RURUさん» RURU様、お久しぶりです！いつもあたたかなコメントを本当にありがとうございます。大変お待たせしてしまいましたが、ちょこちょこと更新も再開したいと思っておりますので、またおヒマな時に遊びに来てください！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - 白昼夢さん» 白昼夢様、コメントありがとうございます。更新大変遅くて申し訳ありません……。にもかかわらず、作品を大好きと言っていただける優しさにただただ感謝しております。ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおお！！！更新待ってましたーーー！もう大好きです！いつまでも楽しみにしてます！ (2019年2月14日 12時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢 - ああああああああああああああぁあぁああぁ！！！更新されてるうぅぅうううぅうう！！！って思いました！w頑張ってください！この作品大大大好きです！！ (2019年1月16日 16時) (レス) id: 57897e1d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年7月11日 14時
