優しさをください。95 ページ32
流石に、安室さんの恥ずかしい発言の連発に耐えられなくなって、私は世良さんから体をばっと離して、私たちに背を向けて立っている長身の男性に向かって駆け出した。
ほんの少しの距離だから、全然疲れるはずなんてないのに、息が切れたみたいに上手く呼吸ができない。
『(なんでそんなこと言ってるんですかっ！！)』
しかも。
同級生の前で！
恥ずかしすぎて死んでしまいたくなる。
それに、ベッドの上って！！誤解してもおかしくないことをこの人は平然と言ってのけた！大人だからって、余裕で！！
思わず、口から悲鳴のような叫びが漏れる。
『はっ、恥ずかしいことを言わないでくださいーっ！』
そう叫びながら、後ろを振り向かれる前に、長身のその人の腰に巻きつくように抱きつく。
うあっ、細身な人かと思ったけど、結構がっしりしてる！筋肉すごい！
……はっ、私変態っぽい！？ちがう！決してそんな邪な考えを持っているわけでは！！
安「な…………っ！？」
上から聞こえてきた驚愕の声に、さらに恥ずかしくなってきて、先ほどよりもぎゅうぎゅうと安室さんに抱きつく。
顔が赤いのを見られたくないのが大半を占めているんだけれども。
だからお願い、私の腕を解こうとしないで！！
……当たり前だけど、安室さんは私を自分から離そうとして、腰に回っている私の腕を外そうとしている。無理にしないあたり、紳士的な人だけれど、今回はそれでも焦りとかがあったのか、ちょっと強引にでも私を引き剥がそうとしている。
けれど、私も私で顔が真っ赤になっていて、しがみつく腕の力を弱めることができない。
そうなると、安室さんの体温を再び感じることになり、さらに恥ずかしくなって、またきつく抱きつく。
……と、いう。ある意味、負の連鎖が続いてしまったのだ。
世良ちゃんの「……Aくん、もう一度ボクの方においでよ」と、言ってくれなければ、延々と安室さんとよくわからない攻防を続けていたに違いない。
世良ちゃんの言葉に反応して、私は即座に安室さんから離れて、振り向かれる前に世良ちゃんに飛びつくようにして抱きついて、安室さんから表情を隠した。
私を挟んで世良ちゃんと安室さんが何かを言っているなんて、今の私に理解できるはずもなく。
顔の赤みよ早く引け、と自分でも、自分に呪いをかけるかのように内心でブツブツとつぶやいていたのは、幸いにも、私以外にいなかった。
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霞葉 - このお話、とても好きです。続き、楽しみに待っています。 (2020年6月22日 12時) (
レス) id: a64398df50 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - RURUさん» RURU様、お久しぶりです！いつもあたたかなコメントを本当にありがとうございます。大変お待たせしてしまいましたが、ちょこちょこと更新も再開したいと思っておりますので、またおヒマな時に遊びに来てください！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - 白昼夢さん» 白昼夢様、コメントありがとうございます。更新大変遅くて申し訳ありません……。にもかかわらず、作品を大好きと言っていただける優しさにただただ感謝しております。ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおお！！！更新待ってましたーーー！もう大好きです！いつまでも楽しみにしてます！ (2019年2月14日 12時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢 - ああああああああああああああぁあぁああぁ！！！更新されてるうぅぅうううぅうう！！！って思いました！w頑張ってください！この作品大大大好きです！！ (2019年1月16日 16時) (レス) id: 57897e1d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年7月11日 14時
