優しさをください。29 ページ39
しんとした店内に、私は流石に戸惑いを感じ始めた。なんだろう、この、なんとも言えない空気。それも、その微妙か視線などが全て私に向いている。何か悪いこと言った……？
コ「……安室のにいちゃん、どんまい」
梓「……安室さん、前途多難すぎますけど、私、ちゃんと応援しますから！」
蘭「ちょっと鈍感なだけですから！大丈夫ですよ！！」
安「みんなの慰めの言葉が辛すぎます……」
『……えっと、私、何か悪いことしてしまいましたか……？』
おずおずと呼びかけると、今まで私のすぐそばで沈んでいた安室さんが、パッと顔を上げて、ものすごいスマイルで私に話しかけてきてくれた。
安「Aさんは気にしないでください。それよりも、ココアをどうぞ。ちゃんとミルクたっぷり入ってますから」
『わぁ……！ありがとうございます！』
ミルクたっぷりという言葉に、私はつられて、目の前においてもらったホットココアの入ったマグカップを手に取る。
そして、冷ましながら少しずつ飲んでいた。
少し離れたところでは、梓さん、蘭さん、コナンくん、安室さんの四人が身を寄せてひひそひそと何やら話しているけれど気にしない。
蘭「あの、安室さん、本当にごめんなさい」
安「……いえ、本当にそれは気にしてないです。というか、気にする余裕がなくなりました」
梓「めげないで、安室さん！ちょっと鈍感な子なんていくらでもいますよ！」
コ「あれ、ちょっとっているレベルじゃない気がするんだけど……」
安「コナンくん、それ言わないでくれないかな……？僕だって気づいてるんだから」
コ「ご、ごめんなさい……」
蘭「コナンくん、ちょっと黙ってて！」
コ「はい……」
梓「それよりも、あの子、本当にどうすればいいんですかね？」
蘭「もっと安室さんが積極的になればいいんですよ！押せ押せです！！」
安「さっきそれであらぬ誤解をされたじゃないですか！あれ結構精神的にくるんですよ！？嫌ですよ！」
蘭「さっきと今では状況が違います！それに、押していかないと、一生気付かれないパターンですよ！？」
……何を話しているのか全くわからない。耳を澄ましていたけれど、それにも飽きてきて、私は再びココアに集中した。
と、からんからん、と軽快な音が響く。
しかし、梓さんも安室さんも、来客には気づいていない様子だった。
何とは無しに店内に入ってきた人を見てみる。
――その瞬間に、後悔した。
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妃沙(プロフ) - 明里香さん» 誤字のご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2018年6月2日 20時) (
レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 安室sideに誤字がありました。「毒の車」ではなく、「僕の車」です。 (2018年6月2日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年5月27日 8時) (レス) id: 35e497a401 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです！！、更新頑張ってください！応援しています！！！ (2018年5月26日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年5月18日 8時
