優しさをください。27 ページ37
安「テーブル席に移動すると聞こえてきたので、その移動を手伝うために来たんですが……」
『……？どうして安室さんが？』
安「いえ、こうやって……」
と、言いながら、安室さんは私のそばまで歩み寄り、身をかがめたかと思うとひょいっと私を抱き上げた。
『きゃっ！？』
安「抱き上げて移動すれば、Aさんの怪我にも負担がかからないでしょう？」
『あっ、ま、待ってくださ……っ！』
安「動くと危ないですから、大人しくしていてください。蘭さん、コナンくん。どこのテーブル席に着くつもりだったんだい？」
コ「あ、窓側にしようかなーって……」
安「…………できれば、奥のテーブル席にして欲しいんだけど、いいかな？」
コ「え？」
安「色々事情があってね。きいておいてなんだけ
いいど、いいかな？」
コ「う、うん。僕は別に構わないけど……」
蘭「あ、私も大丈夫ですけど……？」
安「じゃあ、奥に行きましょう。Aさん、行きましょうか？」
それ、私に拒否権ない……。そう思いつつも、安室さんの気遣いは正直に嬉しかったため、その腕の中で小さくコクリと頷いた。
安室さんに抱きかかえられて移動をし、ソファーに下ろしてもらう。
と、安室さんが至近距離で私を覗き込んで微笑んだ。
安「ココア、もう少しでできますから、あとちょっとだけ待っててくださいね」
その凶器的な笑顔を間近で見せられて、私は顔を真っ赤にしながら、『はい……』と答えるしかできない。
そんな様子を、ぽかんとしながら見ているさん人に気づくことなんて、私ができるはずがなかった。
* *
蘭「服、どうですか？」
『あ、はい。大丈夫です。すみません……私、一着ダメにしちゃったのに、また借りてしまって……』
蘭「気にしないでください。なんか、安室さんが弁償しますって言ってますし……」
『でも、無理を言ったのに、本当にありがとうございます』
私が蘭さんに借りた服は、長袖とロングスカートだ。それでなければ、傷だらけの全身の包帯を隠すことができなかったから。
突然のそんな無茶な願いを蘭さんは快く引き受けてくれて、タンスを漁ってそれらを見つけ出し、私に貸してくれたのだ。
蘭「……服、私のばかりじゃ、不便ですよね……」
『……すみません、私が迷惑かけてるから、蘭さんの着る私服がなくなってしまいますよね……』
蘭「え？あ、違いますよ。そんなことは気にしてませんから！」
笑顔でそう言ってくれているそのことばに、、嘘はないのだと思う。
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妃沙(プロフ) - 明里香さん» 誤字のご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2018年6月2日 20時) (
レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 安室sideに誤字がありました。「毒の車」ではなく、「僕の車」です。 (2018年6月2日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年5月27日 8時) (レス) id: 35e497a401 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです！！、更新頑張ってください！応援しています！！！ (2018年5月26日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年5月18日 8時
