優しさをください。26 ページ36
安室さんの絶叫に似たような叫びと、蘭さんの蔑むような瞳と、梓さんがぽかんとしながらも歓喜している瞳と、コナンくんの「まじ……？」という感じの瞳が、ポアロの中に入り混じる。
幸いなのは、この空間に私たち以外の人間がいないことだと思う。
安室さんは、私の背後で片手顔を覆うように頭を抱えている。それを、カウンター席の椅子に座って見上げるように見る。
……新鮮な反応……。
と、安室さんが顔から手を離して、両手で私の両肩を掴んだ。といっても、私の傷に障らないように優しく、だけれど。
安「Aさん、それは大いに誤解を生む言葉です。すぐに訂正してください」
『訂正？』
安「もしくは、あったことを詳細に話してください。このままでは僕は本当に最低な男になってしまいます……っ！」
『え？えっと……私が、悪夢を見て、暴れたのを止めてくれて、落ち着くまで抱きしめてくれて……寝不足なのを指摘してくれて……えっと……、私が落ち着くまで、抱きしめて眠ってくれてしました……？』
たしかこんな流れだったはず、と私も思い出しながら必死に言葉を紡ぐ。目の前で真剣に私を見つめている青の瞳にドキドキとしながら、言葉を紡いでいく。
と。
蘭「……えっ？そうなんですか？」
キョトンとした声で、蘭さんが反応した。
蘭「ほ、本当にその流れ？じゃあ……」
安「僕は決して、Aさんを襲うような真似はしていません！」
蘭「……………………」
安室さんの必死の声と言葉に、蘭さんはちょっと呆然たしている。
すると、コナンくんが私のそばにトコトコとやってきた。
コ「ねぇねぇ」
『？なに？』
コ「おねーさんの名前、Aって言うの？」
『あ、うん。そう。それが私の名前だと思う』
コ「だと思う？」
『あの日にね、夢を見たの。それで、その夢の中で知らない男の人が私のことをようやって呼んでたから、多分、それが私の名前なんだと思う』
コ「……そっか。綺麗な名前だね！」
『ありがとう、コナンくん』
へにゃっとはにかむように笑えば、心なしか、コナンくんもホッとしたような表情をして枯れたような気がした。
すぐそばでは、蘭さんが安室さんに平謝りしている。安室さんは誤解が解けたならもういいですよと苦笑しながらもホッとしているようだった。
そういえばと思い、私は安室さんの方を向く。
『安室さん、どうして私の背後に立っていたんですか？』
その疑問をぶつけたら、安室さんもキョトンとしながら言葉を返してきた。
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妃沙(プロフ) - 明里香さん» 誤字のご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2018年6月2日 20時) (
レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 安室sideに誤字がありました。「毒の車」ではなく、「僕の車」です。 (2018年6月2日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年5月27日 8時) (レス) id: 35e497a401 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 凄く面白いです！！、更新頑張ってください！応援しています！！！ (2018年5月26日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年5月18日 8時
