織田作之助 。 ページ6
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バーのカウンターに腰掛けていたのは、赤髪に武骨そうな男。
蒸留酒を傾けながら、Aと太宰に向かってゆっくりと振り返った。
思わず眉を寄せたAを彼に紹介するように前に押し出すと、にっこりと笑って太宰は口を開いた。
「やあ織田作！遅くなってすまないね。
一応、紹介しておくけれど彼女が島崎Aだ。
屈強なポートマフィアの構成員９名をいとも簡単に殺した恐ろしい少女だよ。」
初対面の男性に向けて第一印象最悪な紹介をよくもまあつらつらと。
Aは横目で太宰を睨んだが、当の本人はどこ吹く風。
織田作、と呼ばれた男は静かにAに視線を移した後、ぽつりと呟いた。
「___人間だったのか。てっきり兎だとばかり思っていた。」
「一寸ごめん、私が何故兎捕獲に行かなければならないんだい？」
「云っていただろう、“ポートマフィアの庭を荒らした子兎を捕まえにいく”と。」
「....あぁ、うん、そうだったね。」
____何なんだこのツッコミ不在の亜空間は。
厭だ、私は多分この空気に耐えられない。
あの太宰を黙らせる程の“変人”さに、Aがやや引いていると、自己紹介とばかりに太宰が云った。
「ーーー彼は、織田作。
ポートマフィアの構成員でね、私の数少ない友人なのだよ。」
『.....はぁ、』
「８割は合っているが、俺の名前を渾名で定着させようとするな、太宰。
.....織田作之助だ。」
よろしくな、島崎。
そう云って、手を差し出してきた織田を怪訝そうに見つめた。
『.....よろしく、って私とよろしくする意味が分からない。
太宰さんや中原さんなら兎も角、』
ーーー私と関わりを持っても、面倒な事になるだけだよ。
Aがそう云うと、一気に部屋の空気が凍りついた気がした。
隣の太宰から送られる視線も同様。
何かおかしい事を云ったのか、と怪訝そうに小首を傾げると、何処か納得したように織田は呟いた。
「....確かに太宰が云った通りだな。」
それは一体何の事なのか。
Aには見当がつかなかったし、どうにも太宰さんがAを彼と会わせた理由が分からなかった。
ただ、唯一分かったのは。
「ーーー島崎、お前は一体何を思って自分の生を蔑むんだ？」
初対面でいきなり、Aの心の核質を突いて来るほど、“不思議な人間”なのだと云う事だ。
隣で太宰が、意味有りげに微笑んだ。
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y(プロフ) - まだ、見てます。こんなに端麗な日本語で綴られた物語を書ける方、中々いないです。最高の作品です。どうか、いつか続きが読めることを願っています (2月26日 19時) (
レス) @page38 id: 02477a501f (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 何周も見てるけどやっぱ飽きないし面白いです！！更新待ってます！！！！！() (2022年11月15日 14時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
おみず - お、おわり……？？続きがまた見たいです……この先でも活躍するんだろう夢主ちゃん見たいです……！！！ (2022年11月10日 23時) (レス) @page38 id: 0c3a3b3097 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫ﾆｻﾅ - 更新待ってます！！ (2022年3月14日 22時) (レス) @page38 id: 1c42f0d3fc (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - え、待ってめっちゃ好き。続き気になる…！更新待ってます、頑張ってください！！ (2022年2月1日 17時) (レス) @page38 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪原 ゆずき
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2016年8月4日 13時
