巫山戯た男の噺 。 ページ2
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「___何だか不思議だと思わないかい？
最初は私と“同じ”なのだと思ったけれど、少しずつその考えが音を立てて変わっていっている。その考えを変えているのは、彼女と同じく沢山人を殺してきた君だ。」
「.....何が云いたい。」
「中也。」
ーーー彼女は、とても面白いよ。
そう云って、太宰は笑った。悲愁めいた顔ではなく、心の底からそう思っているように。
相変わらず、この目の前の自身の相棒が考えている事は分からない。だが太宰がAを拾ったのはほんの気紛れではない気がした。
飲みかけのグラスを机に置き、太宰は唐突に立ち上がる。云いたい事だけを云って、もう帰る気なのか。
一体全体何しに来たのか、と睨むようにして太宰を見上げると、太宰はくすりと笑って中原の部屋の扉の前で歩みを進めた。
「いやね、君に許可を貰おうと思って。」
「許可ァ？」
「____君の部下に会わせたい人物が居てね。
きっと彼女の人生を変えるきっかけの一人となってくれるであろう男だ。」
何と胡散臭い話なのだろうか。
太宰が云う人間などろくでもない者ばかり。現にこの男がそうだからである。
しかし、今のままのAならばいずれ、このポートマフィア内で“兵器”紛いの扱いを受ける事は確実だろう。
協調性皆無。人を殺す事に何の躊躇いもない。
危険人物なのは、例え中原の部下になったからと云って何ら変わりない。
「......一応は、俺の部下だからな。」
ーーーそんな危険な考えを変えれば、きっと彼女は再び、
【これ、嫌いじゃないです】
「勝手にしろ、手前の話なんか胡散臭くて信用できねェけどな。」
脳裏に浮かぶ彼女の純粋な笑顔を見せてくれるのだろうか。
太宰は中原のその表情に、含みのある笑みを浮かべてありがとう、と片手を上げて部屋から出て行った。
血と暴力が渦巻く黒社会の中枢である組織、ポートマフィア。
そんな場所に不似合いな程、綺麗な笑顔を見せた彼女は果たしてどんな道を進むのだろうか。
徐々に、何かは変わりつつあった。
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y(プロフ) - まだ、見てます。こんなに端麗な日本語で綴られた物語を書ける方、中々いないです。最高の作品です。どうか、いつか続きが読めることを願っています (2月26日 19時) (
レス) @page38 id: 02477a501f (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - 何周も見てるけどやっぱ飽きないし面白いです！！更新待ってます！！！！！() (2022年11月15日 14時) (レス) id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
おみず - お、おわり……？？続きがまた見たいです……この先でも活躍するんだろう夢主ちゃん見たいです……！！！ (2022年11月10日 23時) (レス) @page38 id: 0c3a3b3097 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫ﾆｻﾅ - 更新待ってます！！ (2022年3月14日 22時) (レス) @page38 id: 1c42f0d3fc (このIDを非表示/違反報告)
RENKA - え、待ってめっちゃ好き。続き気になる…！更新待ってます、頑張ってください！！ (2022年2月1日 17時) (レス) @page38 id: b5b9f86a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪原 ゆずき
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2016年8月4日 13時
