・ ページ3
○
いつも通りの祖母を目にし、いつも通りの挨拶を交わし、いつも通りの家を出て、いつも通りの道を辿り、いつも通りの校舎に入り、いつも通りの通路を辿り、いつも通りの教室に足を踏み入れた
そんないつも通りという言葉に塗れた日常を過ごす俺には、どれもこれもが色の無いものに見えて仕方がない
教室の端で交わされる女子の会話は、昨日のテレビ番組に乗っ取られ、壊れたブリキ人形の様に「かっこいい」「かっこいい」と連呼している
教卓付近で交わされる男子の会話は、週刊の漫画雑誌で掲載されている物語に乗っ取られ、動物園の猿の様に「続き気になるよな!!」「また来週だな!!」と騒ぎ立っていた
話している本人たちにとっては、とてつもなく鮮やかな色で塗り固められた話なのだろう。それこそ、蛍光色のように目がチカチカする程の明るい色に
だが俺には、昔のブラウン管のテレビに映し出されていたモノクロの映像の様にしか見えないのだ
だがそんな中でも、ある貴重な二人の人物がいる
その二人とは小学校三年生からの仲で、それなりに長い付き合いにはなっているのだ
とは言っても、その内の片っぽは某アニメに登場するキャラクターを型どったような暴君で、中学校に入学して以来、会話と言える会話は恐らくしていない。いや、絶対していないと断言出来る
どこからネジが外れたのか、はたまた元々無かったネジが取り付けられて起こった不祥事なのかは理解しかねるが、取り敢えず、二人は正反対のようで、酷く似ていた
騒がしかった教室を鎮めるかのように、ガラリと大きな音を立てて入ってきた者と、騒がしかった教室の音に紛れるかのように、カラリと小さな音を立てて入ってきた者
前と後ろの扉から同時にやってきた二人は、視線を交じらせることもしない
あぁ…やはり二人は似ているのだ。そう、例えるとすれば磁石。似ているからこその反発。似ているからこその敵対心
やはりあの二人は、俺が眺めるには中々に厳しい…またそれこそ、蛍光色を身にまとっているのだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雷雅 - 更新頑張ってください！ (2018年5月11日 18時) (
レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
リコ(プロフ) - ヤベェ…面白すぎる！これからも更新頑張って下さい！応援しています( *・ω・)ノ (2018年5月5日 18時) (レス) id: 99beb34d9a (このIDを非表示/違反報告)
坂田明朗(プロフ) - 小仏さん» こんな私ではありますが、微力ながらに頑張りますので、これからもよろしくお願い致します!!! (2018年2月21日 15時) (レス) id: 547684c706 (このIDを非表示/違反報告)
坂田明朗(プロフ) - 小仏さん» そんなの全然お気になさらないで下さい!!!むしろ坂田からしたらただただ嬉しい限りでございます!!綺麗に分かりやすい感想で、本当に本当に感謝です!!私の方からはこんな短い言葉で申し訳ないのですが、どうかこれで伝えられたら幸いです… (2018年2月21日 15時) (レス) id: 547684c706 (このIDを非表示/違反報告)
小仏(プロフ) - 作品を読んで興奮したまま、衝動書きのような感じで書いているので文章におかしな点があると思います。また長々とコメント欄を埋め尽くしてしまってすみません。更新全裸待機で待ってます！頑張って下さい！応援しています！ (2018年2月21日 3時) (レス) id: 4df5bf9816 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：坂田明朗 | 作成日時：2018年2月19日 19時
