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「それなら良かった。
私だけですんだのに...
ーーその時私の家のボーイが偶然買い物に出てて...
私にトラックが迫ってるのを見て、私を突き飛ばしてくれたの。
その衝撃で頭を打って、私は意識を失った。
最後に見たのは...彼がトラックに数メートル引きずられていくところだった」
もう涙を拭うこともせず話すA。
その瞳には絶望の色が広がっていた。
「目が覚めたら、私は病院のベッドにいた。
彼は死んでしまってた。
自分が殺した。
ずっと後悔してたよ。
あの時もっと周りに気をつけてればよかったって。
その後、検査をしたら、
痛みを感じなくなったということがわかった。
その時はそんなことどうでもよかった。
彼のことで頭がいっぱいでさ。
...でも、それで終わりじゃなかった。
ー退院してから何日かした時、
体全身がすごく痛くなって。
身体中にナイフを突き立てられてるみたいだった。
そのまま私は気を失っちゃったみたい。
その間に検査は進んでいて、
私は痛みを感じない代わりに、
ある瞬間に今までの痛みが倍になってかえってくるってことがわかってた。
そこからはもう...地獄みたいだったよ。
いつ襲ってくるかわからない痛みとそれに対する恐怖で何日も眠れなかったし。
しかも支えてくれると思っていた家族も私を他人みたいに見て...
死にたいって何度も思った。
だけど、私の為に彼が死んだから...
その命を捨てることなんてできなかった。
そして、ある時決心して、一人で生きることにした。
こんなことになったのも、彼が死んだのも、
私が財閥の娘だからだ、って思って。
私は家族を捨てた。
...それで日本に来た。」
Aが話終わっても俺は衝撃でなにも言えなかった。
俺と同じ年生きていて、そんなことがあったなんて、俺には到底想像できない苦しみを経験してきたのだろう。
何か言いたいが、なにを言えばいいのかわからない。
頑張ったな。
その一言ではあまりにも軽すぎる気がした。
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日向夏(プロフ) - 教えてくださってありがとうございますm(_ _)m (2019年3月22日 16時) (
レス) id: fe3d80a53c (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月22日 15時) (レス) id: 2c87b61af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向夏 | 作成日時：2019年3月22日 15時
