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三橋
「お前一人暮らしだったんだな。
おじょーさまなのかとおもってたぜ」
Aの住んでいるアパートに着くと俺は独り言のように呟いた。
「うん。まあ色々あってさ。
...あながち間違ってないけど。
ちょっとまっててくれる？服着替えてお茶入れてくるから」
そういうとAは俺の前からいなくなった。
...さっきから普通に話してるけど刺されてるんだよな。
...何があったんだよ。
一人暮らしで両親もいない。
亡くなったのかと思ったが写真とかも一枚もない。
でも持ってるものはそこそこいいものだ。
ということは孤児院育ちではない。
誰かから仕送りをもらってるのか。
なら家出か。
でもいくらなんでもイギリスからここまでこねぇよな。
ーー相当なことがなきゃ...
ー相当な事...
...くそっ。
わかんねぇ。
さっきは話したら楽になるとか簡単に言っちまったけど、そんな単純なことじゃないのかもしれない。
「お待たせー。はい、紅茶。
あともし良ければお菓子」
さすがイギリスに住んでただけあって
紅茶は小洒落たティーポットに入っていた。
一緒に出してくれたお菓子はクッキーのような、俺は見たことのないものだった。
「なに？この菓子」
「あ、それね、ショートブレッドっていうバタークッキー。私の大好物なの」
ほーん、と説明を聞きながら口に放り込むと、サクッと口の中にバターの優しい味が広がった。
「...うっま」
「ふふ。よかった」
口をいっぱいにしながら ほえで？と本題に戻す。
「あれは血糊だったのか？」
一瞬戸惑うように瞳が揺れたが、
心を決めたようにまっすぐこちらを見た。
「ううん。あれは本当に刺された」
わかっていたことではあったが、
やはり動揺する。
「じゃ、じゃあなんで...」
「平気なのか？」
ゆっくりと頷く。
Aはふぅ、と大きいため息をつくと、どこから話せばいいのかなーと
言いながら話し始めた。
「私は、痛みを感じない身体なんだ」
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日向夏(プロフ) - 教えてくださってありがとうございますm(_ _)m (2019年3月22日 16時) (
レス) id: fe3d80a53c (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月22日 15時) (レス) id: 2c87b61af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向夏 | 作成日時：2019年3月22日 15時
