▽mission172 ページ32
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「ジョディさんは?FBIの方なんですよね、何故コナンくんと………というか何故日本に………」
聞かなければ恐らく不自然だろう、と私も軽く首を傾げる。
これは別にジョディ先生を探っているわけでもないし、いい感じに誤魔化してくれるはず。
そして私はそれを信じ込めばいいのだ。
期待通り、前を向いたままのジョディ先生は軽く苦笑してみせた。
「ああ、向こうにいる時に少し捜査でミスしてしまってね?長期休暇を取らされちゃって………今は傷心旅行で日本にいるの」
「あ、なんかごめんなさい………」
「いいのよ、気にしないで?それで日本でも今日みたいに事件に巻き込まれたりして………その時かしらね、コナンくんと知り合ったのは」
「ああ〜〜………あの子事件吸引機だから………………」
「それは否定できないわね………………」
ジョディ先生が話してくれたのは当たり障りないとはいえ大方が真実で、特にコナンくんとは事件で知り合ったというのが説得力ありすぎてめちゃくちゃ納得してしまった。
ちょうど止まった赤信号で、顔を見合わせてクスクス笑う。
「でも日本の警察だけじゃなくてFBI捜査官もコナンくんを気に掛けてくれるなら安心ですね、あの子すっごい賢いけどまだ守られるべき子どもでもあるから」
「私たちも彼によく助けられるから、その分彼のことも助けなきゃね」
「コナンくんのことを宜しくお願いします、ジョディさん!」
「分かったわ、任せてちょうだい」
ほとんど沈んだ夕陽の残光に照らされたジョディ先生の横顔が微笑んだ。
それに私も笑い返して、心の中で呟く。
そう遠くない未来、ジョディ先生の会いたい人にもきっと会えるからさ。
もう少しだけ、待っててよ。
視界の端に見慣れた景色を見つけ、私は声を上げた。
「あ、この辺りで大丈夫です!」
「あら、ここでいいの?」
「はい!」
そう言うとジョディ先生は道の端に車を寄せる。
お礼を言って助手席から降りてもう一度頭を下げた。
「本当にありがとうございました、すごく助かりました!」
「このくらいどうってことないわ、また会いましょうね!」
「喜んで!!!!」
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moo(プロフ) - 控えめに言っても言わなくても滅茶苦茶面白いです! (2021年7月13日 16時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
221B - 面白いです続編読みたい…いつか更新してくだされ…! (2021年6月14日 21時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか(プロフ) - 面白すぎて夜中に一気読みしちゃいました笑続き首を長くして待っております! (2021年5月23日 1時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
Lapislazuli. Charlot.(プロフ) - 面白すぎてはまったw(。^。^。)最高 (2021年5月17日 19時) (レス) id: b8ccefd154 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 何度読んでも面白いです!更新待ってます!! (2021年4月27日 2時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年6月7日 14時