▽mission163 ページ23
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ごく普通に本物のジョディ先生に興奮した。めっちゃ興奮した。間近で見ると超美人。
そのテンションのまま話しかけていれば背後から大きな咳払いが聞こえる。
恐る恐る振り向けば、容疑者3人の前に立った目暮警部がこちらを見据えていた。
「……山崎Aさん、ですな?お会いするのは初めてではないと思いますが」
「め、目暮警部さんですよね…………あの節はどうも………………」
「申し訳ありませんが少々こちらに来て頂きたい」
差されるがままに3人の横に移動する。
3人のうち唯一の女性、段野頼子さんのお隣にそそくさと立てば目暮警部がまた咳払いをした。
「それでは全員集まったところで、まず皆さんのポケット、あるいはバッグの中にマジックで黒く塗られた五円玉が入っていないか確認してもらえませんか」
「黒く塗られた五円玉?」
「なんじゃそれは」
「そんな変なもの持ってるわけ…………」
唐突な指示に、他の3人は変な顔をしながらそれぞれ確認を始める。
それを横目に私はポケットから黒い五円玉を3枚取り出した。
「これですかね、さっきカバンの中で見つけたんですけど」
「ああ、それですそれです」
五円玉を掲げて見せれば高木刑事が相槌を打ってくれる。
心なしかコナンくんもほっとしたような顔をした気がした。
そりゃまあこれを持っているのは犯人でない証だが、残念だったなコナンくん。
段野頼子さん、弁崎桐平さん、坂巻重守さん。
各々が皆懐から、カバンから、黒い五円玉を探り当てる。
さて、これで黒い五円玉を持っていない人が犯人だという推理は使えなくなったわけだ。
「一体なんなの?この気味の悪い五円玉は……」
ごもっともな疑問をぶつけた段野さんに、高木刑事が黒兵衛の説明をする。
そしてそのスリを捕まえたのか、と問う坂巻さんに目暮警部は遺体となって発見された黒兵衛、矢谷郁代さんの方を見ながら言う。
「それが、先ほど遺体となって発見されました」
一斉に驚いた声を上げる3人を横目に私は虚空を見上げた。
「我々は、あなた方の中に犯人がいると睨んでいるのですがね」
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moo(プロフ) - 控えめに言っても言わなくても滅茶苦茶面白いです! (2021年7月13日 16時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
221B - 面白いです続編読みたい…いつか更新してくだされ…! (2021年6月14日 21時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。ですか(プロフ) - 面白すぎて夜中に一気読みしちゃいました笑続き首を長くして待っております! (2021年5月23日 1時) (レス) id: 0ecde9d0b0 (このIDを非表示/違反報告)
Lapislazuli. Charlot.(プロフ) - 面白すぎてはまったw(。^。^。)最高 (2021年5月17日 19時) (レス) id: b8ccefd154 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 何度読んでも面白いです!更新待ってます!! (2021年4月27日 2時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年6月7日 14時