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『あらバーボン、今貴方シュガーに助けられたわね』
「は?」
『あら、貴方ともあろう人が気付かないなんて疲れてるんじゃないの?』
「僕がですか?まさか」
『コードネームをBambooに変えてもらえるようボスに掛け合ってあげましょうか』
「冗談を言うなんて貴女もらしくないですね」
一言で言えば、暗殺の任務だった。
山崎Aに依頼人だと答えたのは嘘ではない。ただ、探偵としての依頼人ではなく組織の取引相手だっただけだ。
それも自分はただの囮であり、風見を始めとする部下達に保護させる予定だった。
しかし、現場の様子や証言を踏まえるとこれは組織の手は全く入っていない他殺だ。
『それで被害者はターゲットだったのかしら』
「ええ、間違いありません」
『あらそう、じゃあジンには私から報告しておくから』
「お願いします、では」
手短に用件を済ませ、電話を切る。
かなり重要な参考人だと踏んでいただけに彼の死は惜しい。
とは言え死んだ人間を生き返らせる術はなく、一瞬だけ彼を悼んで気持ちを切り替えた。
「すみません、戻りました」
愛想のいい笑顔を貼り付けて現場に戻れば一瞬だけ自分に視線が集まり、すぐに各々がそれぞれの作業に戻る。
小学生だとは思えない明晰な頭脳を持つ少年と、ぼんやりしているようで掴み所のない大学生の後輩を探せば彼等はすぐに見つかった。
江戸川コナン、山崎A。
最初に目を付けたのは江戸川コナンの方だ。
山崎Aはあくまでその延長線上で目を付けているだけであり、全く関係のない一般人である可能性も捨て切れなかった。
だが、恐らく、間違いなく。
「…………もう無理これ…………ごめんな侑斗…………姉ちゃんの骨は海にでも撒いて欲しい…………」
「なんで姉ちゃんが死んだみたいになってるんや…………」
彼女は何かを知っている。
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Skyでツンニキになりたい雀 - ミステリアスでアダルティックな感じの男の人を観賞用としてみる夢主ちゃんちゅき。 (2021年10月29日 23時) (レス) @page3 id: 11ee266d0f (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - シリアル増し増しでめちゃくちゃ面白いです! (2021年7月13日 15時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年7月25日 15時) (レス) id: 0b8d839863 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - トッケビ通じますわ辛い、、、((( (2019年7月21日 19時) (レス) id: a83a008361 (このIDを非表示/違反報告)
natsukomizumura(プロフ) - 超すきです!応援してます! (2019年6月17日 7時) (レス) id: 2c9aa8af7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年5月3日 14時