▽mission133 ページ39
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「あれ、夏波おねーちゃん?」
水槽に張り付いてカメに見入っている妹の横で一緒に宝石を見ていれば、背後から知った声が聞こえた。
思わず頰を引きつらせた私とは裏腹に、妹はパッと振り返って満面の笑みを浮かべた。
「コナンくん!!!」
「あ〜らガキンチョ、知り合い?……ってヤダ、Aさんもいるじゃない!」
無視するわけにもいかないので一緒に振り返った私を見て、園子お嬢様が嬉しそうに声を上げた。
「あ、あはは……どーも園子さん……」
「キッド様を見に来るなら言ってくれれば良かったのに〜!」
そう言ってバンバン背中を叩いてくる園子お嬢様。可愛いけど、こういう園子お嬢様大好きだけど!!
あはは、と笑って見せて私は園子お嬢様の背後に目をやる。
「こんばんは蘭さん、……とそちらの方々は初めましてですよね、山崎Aです」
「こんばんは、Aさん!こちらはこの博物館のオーナーの鈴木相談役と私の友人なんです」
視線の先には蘭ちゃんを始めとして鈴木次郎吉相談役、そして世良ちゃん。
「ああ、園子のご友人かな?わしが鈴木次郎吉じゃ」
「ああ、貴方があの!!鈴木大博物館の展示、とても興味深くて面白かったです」
「そうかそうか、それは良かった」
媚びと本音を混ぜて頭を下げ、世良ちゃんの方に向き直る。
私を見てにかっと笑った世良ちゃんの口から八重歯が覗いた。
「ボクは世良真純!…………ねえ山崎さん、どこかで会ったことある?」
「えっ世良さんが覚えてるのびっくりだね…………実は私はガッツリ見たことあるんだけど」
「えっそうなの?」
「ほら、コナンくんが誘拐されたときあるじゃない?犯人をバイクで吹っ飛ばす世良さんを見てました」
「ああ、あの時!」
思い出したようにポンッと手を打った世良ちゃん。この時はまだキッドの変装ではない。
「コナンくん達とは知り合いなのか?」
「毛利探偵事務所の下のカフェでバイトしてるからね」
へえ、と呟いた世良ちゃんが何故かニヤリと笑った。
探偵がその笑い方をするのは大体何かに気付いた時で、妹の相手をしてくれているコナンくんもこちらを見てヤベ、みたいな顔をしたから多分やばい。
「なあ、山崎さん」
「ど、どしたんや世良さん」
「お互い初見じゃ男に見間違われて大変だよなあ〜?」
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Skyでツンニキになりたい雀 - ミステリアスでアダルティックな感じの男の人を観賞用としてみる夢主ちゃんちゅき。 (2021年10月29日 23時) (レス) @page3 id: 11ee266d0f (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - シリアル増し増しでめちゃくちゃ面白いです! (2021年7月13日 15時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続編も楽しみです。よろしくお願いします。 (2019年7月25日 15時) (レス) id: 0b8d839863 (このIDを非表示/違反報告)
空白@吹部@Tp@不定期浮上(プロフ) - トッケビ通じますわ辛い、、、((( (2019年7月21日 19時) (レス) id: a83a008361 (このIDを非表示/違反報告)
natsukomizumura(プロフ) - 超すきです!応援してます! (2019年6月17日 7時) (レス) id: 2c9aa8af7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:斗 | 作成日時:2019年5月3日 14時