▼mission44 ページ45
*
ボウヤを探偵事務所に送り届け、車内には山崎Aだけが残された。
一度訪れた彼女の家までは容易に辿り着ける。
「Aさん、着きましたよ」
声を掛けるも反応はない。
下を向いて眠っていたのか大きめのメガネがずり落ちており、手を伸ばしてそれを直してやる。
それでも彼女は目覚めない。
「着きましたよ」
少しため息をついて肩を揺さぶれば、ようやく薄く目が開いた。
ぼんやりとした表情で何事か考えているのかしばらゆっくり周りを見渡した後状況を思い出したようで軽く頭を下げる。
眠そうな声でありがとうございます、と呟いてベルトと逆方向をまさぐりはじめたので少し笑ってベルトを外してやった。
「ベルトを外すならこっちだぞ」
「……頭が働いてない………………」
あまりに覇気のない声に笑いが漏れる。
疲れ切っているのは目に見えて分かった。
「心理戦なんて慣れないことをするからだ」
「こちとら必死なんですよ………………」
俺たちの命綱を握っていると匂わせた彼女と後部座席に沈んでいる今の彼女があまりにも不一致で、どちらが本当の彼女なのか。
ぼけっとしたままの彼女の手を引いて車から下ろすと流石に少し目が覚めたのか車の前で頭を下げた。
「今日は色々ありがとうございました………またそのうちお礼に伺います…………次は自分の足で帰るので…………」
「いえ、我々としてもなるべく君といられた方が安心できるので遠慮は無用ですよ」
「じゃあお言葉に甘えて……」
護衛と監視を兼ねて、と匂わせれば彼女は素直に頭を下げる。
大きな欠伸をして家に入っていったのを確認して、俺は車を発進させた。
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Sun._raise(プロフ) - やばい、ハマった (2022年2月1日 0時) (
レス) @page49 id: 276bbde748 (このIDを非表示/違反報告)
どぅわああああ - mission47、主人公と博士は夜想曲の帰りのスバルさんに乗っているので初めましてではないですね。とても面白いので続編以降も楽しみです。 (2021年7月14日 1時) (レス) id: 04b80a02c7 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！ (2021年7月13日 13時) (レス) id: 36860c259a (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 自転車事故のくだりめっちゃ爆笑しました！この作品大好きです！ (2021年4月25日 22時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
よる - まだ設定しか見てないけど名前入れたら本名になって驚き��(ﾟДﾟ) (2020年4月22日 23時) (レス) id: c5f0e73031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：斗
| 作成日時：2019年4月13日 23時
